株式会社電縁の代表取締役社長を務める加藤俊男氏が語る、2回にわたって掲載する特集記事の第2回です。
企業経営に関する知識と経験が豊富で、M&Aやニアショア、オフショアなどにも積極的に取り組んでいます。
第2回では、インターネット上のWebシステムにおける「無料と有料の違い」に焦点を当てて、それぞれの製品の特徴や考え方についてご紹介していきます。
無料と言えども、企業側は必ず何かしらの施策を行っていますので、その辺の戦略についても細かく解説していきます。
製品の特性や、販売戦略上の理由で無料と有料を分けている場合が多いので、その具体策についてご紹介します。
無料と有料の違い
検索エンジン経由でクラウドログのサイトに来る方で、「無料」というキーワードが含まれていることが少なくありません。
(例えば、「工数管理 無料」のように複数の単語の中に「無料」が含まれているような検索です。)
クラウドログも無料の試用期間を設けているので、「無料」を含む検索で訪問された方に対してはそれなりにニーズにマッチしていると思って頂けるでしょう。
ただし、永続的に無料ではないので、もしかするとご期待に添えていない場合があるかもしれません。
インターネット上では、多くの無料の製品にたどりつくことができます。
「無料」というのは利用者側にはとても魅力的に映りますが、サービスを提供する側としては何も考えずに無料にしているわけではありません。
無料で提供する場合には主に以下の2つのケースがあります。
1. 実験的に無料で提供している
法人の場合であれば、とりあえず無料で提供してみて、利用者がそれなりに集まれば将来的に有料にするというケースが少なくないでしょう。反対にあまり流行らないようなら、サービスを終了することになるだろうと思います。
また、個人の方が無料で提供しているソフトウェアも多いです。個人の方が提供しているソフトウェアが広く利用されるというのは、まさにインターネットによる革命だと思います。
無料というのは利用者にとってはとてもありがたいですが、その反面、これらの場合に共通するのは、いつ何時サービスが終了するかわからないということです。
ソフトウェアのバージョンアップが長期間されておらず、セキュリティホールがあるといったことや、SaaS製品であれば突然サービスが終了するということもあり得るでしょう。
ある日使ってみようと思ったら、Webサイト自体が無くなっていて「Not Found」なんて出てきた経験をお持ちの方も少なくないでしょう。無料なので、サービスを利用する側も文句は言えません。
2. 限定的に無料で提供している
ある一定レベルまでは無料だがそれを超えると有料になる、といった製品は多いです。
例えば、少数ユーザでの利用は無料、限定された機能の利用であれば無料、一定期間無料といったケースです。
有名なものでは「Google Apps」が挙げられます。
サービス提供者側から見ると、このような無料提供にはとても価値があります。
いつか限定的な利用を超えて料金を払ってもらうチャンスがあるからです。
さて、クラウドログにあてはめて考えてみるとどうでしょうか。
まず、実験的に無料という点については、クラウドログはすでに多数の企業・団体様にご利用いただいているため、すでに実験的な提供という段階ではありません。
有料でサービスを提供しているので、突然サービスが終了することもありませんし、継続的に機能の追加を行っていきたいと考えています。
次に、限定的に無料という点についてですが、クラウドログは一定の無料期間を設けています。 製品紹介サイトがいくらしっかりしていても、実際の製品を使ってみないとわからないことも多いのではないかと思います。
そのため一定期間無料にし、利用価値があるかどうかを企業・団体様が判断できるようにしています。
クラウドログ の内容が長くなってしまいましたが、信頼できる製品が「無料」ということは基本的にはあり得ません。
ビジネスである以上、サービスを提供するには必ずコストがかかっています。企業活動は慈善事業ではないので、コストに見合うだけの報酬が必要です。
ソフトウェアを導入する場合は、無料版・有料版それぞれのメリット・デメリットを比較し、本当に必要なのはどちらなのか、しっかりと吟味することが大切です。