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エクセルで勤怠管理を始めよう! ~理論編~

勤怠管理 エクセル ブラック企業勤怠管理とは基本的に、出勤時間や退勤時間を管理することで、1日の労働時間・残業時間、月間の労働時間・残業時間などの管理を行うことです。
なぜ勤怠管理が必要なのかというと、全ては企業と従業員の良好な関係性を保つためと言えるでしょう。

企業の経営資源として「人・モノ・カネ・情報・時間」というものがありますが、特に人と時間は重要な要素であり、人に適切な労働をしてもらうことで企業は成り立ちます。
適切な人材管理が組織の長期的な繁栄につながりますが、そのための管理の一つが勤怠管理と言えます。

適切な労働時間を維持することで、生産性の高い労働につなげていくことが重要です。
本記事で勤怠管理の理論についてご理解いただき、実践編にて、実際に勤怠管理に取り組んでいただけるような流れとなっています。
すでに勤怠管理を行っている組織でも、改めて、その重要性や手法についてご理解いただけますと幸いです。

 

1.勤怠管理とは

勤怠管理とは企業や組織が、従業員の出勤・欠勤状況や、出退社時刻ならびに休憩時間などの勤務状況を管理・把握することを言います。

勤怠管理を行うことで、従業員の出勤状況を把握するだけでなく、どれだけ残業したのかを把握することも可能で、残業代の計算や、年休の消化状況などを管理する際にも勤怠管理の記録が用いられます。

また、勤怠管理においては、勤務実績だけではなく勤務予定も管理しておくと有効です。
勤務予定も併せて管理しておくことで、計画通りの勤務となったのか、予定とは少しずれたのか把握することができて、その理由を検証する際にも有効な指標となります。

労働基準法で定められた内容は、異なる企業間でも基本的な内容としては共通の法律ですが、別途就業規則などで定められた内容(所定労働時間や有休日数、特別休暇など)は、企業ごとに異なる管理をする必要があります。

従業員は企業との関係性において「雇われる」立場であり、弱い立場の従業員を保護するために労働基準法があります。
ですから、労働基準法を守らず、違法に長時間労働を強いるのは、企業の存続を脅かす危険な事態ともなりえます。
企業は労働基準法に基づいて、給与や賞与、勤務時間や休日、福利厚生などの労働条件を明示し、適切な形で付与する必要があります。

企業が業績アップを目指して、従業員に期待するのは当然のことですが、違法な労働を強いるのは良くありません。
松下幸之助氏の「企業は人なり」という言葉もあるように、従業員は企業にとって貴重な資源なのだということを理解して、適切な勤怠管理を行っていくことが重要でしょう。

 

2.勤怠管理を行うことで「働き過ぎ」を防止する

勤怠管理 エクセル ブラック企業

勤怠管理を行うことで、出勤時と退勤時の時間を記録して、従業員の勤務時間を把握することができ、その結果をもとに、給与の支払いや個人評価をつけるといった対応を取ることができます。

その中でも特に、勤怠管理を行うことで、従業員の「働き過ぎ」を防止・改善することができます。
とかく、真面目なタイプが多い日本人は、割り当てられた仕事やノルマを達成すべく、勤務時間を度外視してまで働くという風潮もありますが、本来論それは誤ったことであり、1人が仕事を抱え込みすぎない体制を組織として構築していくことの方が重要です。

仕事がデキる人ほど作業が集中してしまい、上手く処理しきれないケースも見受けられますが、そういった作業を部署内のメンバーや他の社員に割り振ることも重要な仕事であり、1人で多くの作業を抱え込まないことが重要です。

また、スキルが未熟な若手社員や新入社員には、過度に仕事を割り振るのではなく、各個人のスキルや能力を見定めて、適切なタスクを割り振ることが重要です。

当然、全員が全員、スキルに見合った仕事ができるとは限らないので、多少の残業は必要なケースもありますが、毎日深夜まで働くといったことや、休日出勤が重なるようであれば、それは組織に問題があると言わざるを得ません。

そういった意味でも、タイムカードや勤怠管理システムなどを用いて、勤務時間を適切に把握しておくことで、従業員の働き過ぎを防止し、心身ともに健康な状態で働いてもらうことが重要です。

企業側としても余計な残業代を支払わなくて済みますし、残業代を稼ごうとしている従業員がいるとしたら、それは双方にとって良くない状況でしょう。
本来、残業は勤務時間内に終わらないものに対して時間を延長して行うものであり、はじめから残業ありきで、残業代を稼ごうとしている人がいる場合は、改善を促すべきでしょう。

いずれにしても、勤怠管理を行うことで、従業員の働き過ぎを防止することが重要で、適正な労働時間を維持することで、生産性の高い仕事につなげようとする意識付けを社内で行っていくことが大切です。

 

3.適切な勤怠管理がブラックな労働体系の抑制につながる

勤怠管理 エクセル ブラック企業

昨今の日本社会において、いわゆる”ブラック企業”問題が取りざたされていますが、そういった違法に長時間労働を強いる企業を減らしていくためにも、適切な勤怠管理が重要となってきます。

ブラック企業とは主に、労働者を酷使し、使い捨てにする企業のことを指します。
具体的には長時間労働や無謀なノルマを課し、結果を出せないと判断した者に対しては、業務と無関係な仕事やパワハラ・セクハラなどで肉体的・精神的に追い詰めて、自主退職に持ち込ませようとする企業を指します。

過労死や過労自殺にもつながりかねないブラック企業問題は、日本社会にとっても大きな課題であり、その撲滅を目指して労働基準監督署など関係機関が対策をとっている段階と言えます。

ビジネスを行っていく上で、売上を伸ばし、利益を上げようとするのは誰しもが考える当然の帰結ですが、法を犯してまで行うことは容認されるべきではありません。
ブラック企業に見られる特徴として、雇用契約書を書面で交わすことがないことや、正社員として採用しても3ヶ月の試用期間は社会保険に入れない(本来は採用直後に加入させなければ違法)などといった対応をとることもあります。

また、適切な勤怠管理を行わず、上司への業務報告メールを勤怠管理代わりとするなど、残業代の支給が適切に行われていないケースも問題でしょう。

ブラック企業がブラック企業化するサイクルとしては、人件費を安く抑えるために、未経験者を次々と採用していき、短期間で使い捨てるといったものがあります。
企業が業績を伸ばしていくためには、ある程度のスキルや経験を持った従業員が長期間にわたって業務を行うことが理想的で、人材の育成も企業が負うべき大きな責任と言えます。
一方で、ブラック企業では人件費を抑えることが主目的となっている部分もあり、試用期間のみで自主退職に追い込むことも珍しくありません。

そのような企業がブラック化から抜け出すのは容易なことではなく、従業員を肉体的・精神的な病に追い込むなど、社会としても撲滅していくべき存在と言えます。

そういった意味でも勤怠管理は重要であり、仕事の割振りの見直し、勤務体系の見直し、ルールや意識の徹底などによって、改善されていく部分は大いにあるでしょう。

どのような基準でルールを作っていく場合においても、まず大切にすべきは従業員の理解を得ることです。
まずは、その企業で働いている従業員の理解を得られなければ、せっかく決めたルールや規則であっても、実行されることなく机上の空論で終わってしまいます。

はじめに人件費削減ありきではなく、勤務体系や配置を見直すことで、その先の業務効率化、生産性向上につなげることが目的であり、そのことを従業員に理解してもらう必要があります。
勤怠管理を適切に行わず、従業員の納得しない形で、ただやみくもに残業代や人件費を削減していては何も改善されません。
企業側の一方的な都合で、従業員の賃金を引き下げる行為はまさにブラック企業そのものです。

そうならないためにも、まずは適切な勤怠管理から取り組みを行い、業務効率化・生産性向上につなげていくのが良いでしょう。

 

4.勤怠管理を行うことで、社内のルールや意識を徹底させる

勤怠管理 エクセル ブラック企業

組織の成長を促すためには、一定のルールの中で従業員に行動してもらうことが求められます。
例えば、9時始業開始の会社なのに、毎日1時間以上遅刻してくるような人がいれば、周囲のメンバーは良い気持ちはしないでしょう。

特別な事情があれば別ですが、就業ルールを守らないメンバーが出てくると組織としての統制がとれなくなってくる可能性もあります。

企業の方針として、成果主義で労働時間には拘らないなどの規則を提示していて、そこで働く社員もそのことを理解していれば問題ないかもしれません。
一方で、お客様のことなどを考慮すれば、なかなかそういった柔軟な勤務形態というのは難しいことの方が多いのではないでしょうか。

例えば、9時~18時(お昼休憩1時間を含む)の労働を就業規則としてルール化しているのであれば、そういった社内のルールを徹底させることで、社内の不協和音を消すという効果もあります。

早く帰れるなら早く帰りたいという気持ちを持っている人も多いでしょうが、ルールを軽視した行動は、社内のマイナス要素となってしまいます。
組織として成長していくためには、ルールや規則を徹底し、最低限の規則は守ってもらうことが重要です。

勤怠管理は、働き過ぎの防止やブラック企業撲滅のためにも必要ですが、反対の側面から見ると、組織の適切な運営と成長のためにも必要だという見方をすることもできます。

職位の違いはあっても、ルールを守らない人間が出てくると、組織にとっては悪影響を及ぼすことになるので、適切な管理や必要に応じた是正を行っていくことが重要です。

 

まとめ

人生の中で、仕事に費やす時間が大きなウェイトを占める人が多くいるでしょうが、毎日の生活をより豊かなものにしていくためにも、時間に対する意識は明確に持っておくことが重要です。

1日24時間のうち、3分の1以上の時間を仕事に費やすことになるので、その貴重な時間を有効に使うためにも、勤怠をしっかりとし、生産性の高い仕事をして結果を出すためにはどうすれば良いか考えながら仕事をしていく方が、組織にとっても個人にとってもウィンウィンと言えるでしょう。

有限な時間と有限なリソースを最大限に活かすためにも、まずは勤怠管理をしっかりと行い、そこから業務時間内の作業効率を高めていくための工夫をしていくことが大切です。

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