ビジネスを行っていく上で、プロジェクト管理や工数管理、タスク管理といった管理業務の重要性が声高に叫ばれて久しいですが、そういった管理業務の手助けとなるのが、ガントチャートです。
国内外を合わせると数多くのガントチャートツールが存在しますが、その中でも選りすぐりのガントチャート機能があるツールをご紹介します。
今後、プロジェクト管理を行っていく上で、ガントチャートの導入、運用を検討されている場合には最適な記事となっています。
ガントチャートのメリットや、ガントチャートツールを選ぶ際のポイントなどについてまとめていますので、参考にしていただければ幸いです。
本サイトでは、エクセルの無料テンプレートをご用意しております。ダウンロードして、ぜひご活用ください。
※2024年5月7日更新
目次
ガントチャートで何が実現する?
今や、プロジェクト管理において欠かせない存在であるガントチャート、普段エクセルでガントチャートを作成している方も多いかと思います。
しかし、エクセルだと共有・共同作業が難しいことで、進捗管理がなかなか進まないという課題もあるのではないでしょうか?
まずは、そもそもガントチャートとは何か?という基本的な内容とガントチャートのメリットについて解説します。
ガントチャートとは
ビジネスにおいて、横棒が無数に並ぶ管理表を誰もが目にしたことがあると思いますが、あれがまさにガントチャートです。
左側の縦軸にタスク、そして上部の横軸に日程を置き、各タスクの進捗具合を記録していくことで、プロジェクト全体の進捗を把握することができます。
ガントチャートのメリット
ガントチャートはプロジェクト管理で多く活用されています。ここでは、ガントチャートのメリットについて解説します。
メリット1:プロジェクト進捗の可視化
ガントチャートでは、横軸に描かれたスケジュールによって、プロジェクトの進捗具合を一目で確認することができます。
また、各タスクの達成度合や遅れも常に把握できるため、適宜スケジュールの調整が可能となります。
メリット2:リソース割り当ての効率化
ガントチャートを利用すれば、必要なリソースを担当者に対して明確に割り当てることが可能です。リソースの効率的な活用だけではなく、プロジェクトメンバーに適切な役割を与えるという意味でもガントチャートは役立つでしょう。
メリット3:タスクの依存関係の可視化
ガントチャートでは、タスク間の依存関係を視覚的に表示できます。これにより、次のタスクに進む前に完了しなければならないタスクが明確になります。また、タスクの遅延が発生した際に、ほかのタスクに与える影響も把握することが可能です。ガントチャートを利用することで、プロジェクトのリスクを事前に察知できるようになるでしょう。
メリット4:コミュニケーションの円滑化
ガントチャートは、プロジェクトメンバー間でプロジェクトの進捗や期限などを共有する際にも役立ちます。また、同じガントチャートを使用することで情報の齟齬を減らし、プロジェクトを進めるうえでのトラブルや無駄な作業を軽減できる点もメリットです。
メリット5:プロジェクト計画の精度向上
ガントチャートを利用してプロジェクト管理を行えば、将来のスケジュールやリソースを予測しやすくなります。プロジェクト計画や作業見積もりの精度が向上するため、現実的で無理のないスケジュールを立案できるようになるでしょう。
ガントチャートを無料で作る方法
ガントチャートを無料で作る主な方法は「エクセルやGoogleスプレッドシートで作成する方法」と「ガントチャート機能がある無料ツールを利用する方法」の2つです。それぞれの方法について詳しく解説します。
エクセルやGoogleスプレッドシートで作成する
エクセルやGoogleスプレッドシートを既に導入している場合、これらを利用することで導入費用をかけずに無料でガントチャートを作成できます。
ただし、自社に合わせた形でガントチャートを作成するには、多くの時間がかかります。そこでおすすめなのが、エクセルのテンプレートを活用する方法です。テンプレートを活用すれば、マスタ作成にかかる時間を省くことができ、ガントチャートをスピーディーに作成できるでしょう。
エクセルの無料ガントチャートテンプレートを用意しています。以下のURLからダウンロードし、ぜひご活用ください。
関連記事:ガントチャートサンプルExcel
エクセルのガントチャートで「プロジェクト管理」する5ステップ
ガントチャート機能がある無料ツールを利用する
プロジェクトの規模が大きくなると、エクセルだけで管理することが困難となるため、ガントチャート機能がある無料ツールの利用を検討しましょう。ツールはタスク管理や工数管理など、プロジェクト管理に適した機能が充実している点が特徴です。たとえば、タスクの見落としを防ぐリマインダー機能やレポート機能などがあり、より効率的にプロジェクトを管理できます。
ただし、無料プランでは利用できる機能や人数が制限される場合があります。無料で利用できる機能の範囲については事前に確認しておきましょう。
ガントチャートツールの種類
ガントチャートツールの種類は大きく「クラウド型」「ソフトウェア型」「モバイルアプリケーション型」の3つに分けられます。種類ごとの特徴をみていきましょう。
クラウド型
クラウド型は、インターネット環境があれば場所・時間を問わず利用できます。クラウド上にデータが保存されるため、複数人でリアルタイムに同時編集や共有ができる点もメリットです。
ただし、インターネット環境や通信環境によっては、スムーズに操作できなくなるおそれがあるため注意が必要です。クラウド型のガントチャートツールを利用する場合は、安定した通信環境を用意しましょう。
ソフトウェア型
ソフトウェア型は、パソコンなどにインストールしてローカル環境で利用するタイプのツールです。オフラインでも利用できるメリットがあります。
デメリットは、ユーザー自身でソフトウェアの更新を管理しなければならない点です。そのため、リアルタイムでの情報共有にはあまり適していません。
モバイルアプリケーション型
モバイルアプリケーション型は、スマートフォンなどで手軽に利用できる点が特徴です。移動中や外出先であっても、スマートフォンでプロジェクト管理を行えます。
一方、画面が小さくて編集しにくい点はモバイルアプリケーション型のデメリットです。また、スマートフォンで利用できるのはガントチャートの閲覧機能のみで、作成機能は備わっていないツールもあるため注意してください。
種類ごとの特徴やメリット・デメリットを把握したうえで、自社に合ったガントチャートツールを導入しましょう。
ガントチャートツールを選ぶ際のポイント
ガントチャートツールを選ぶ際に押さえておきたいポイントは以下の通りです。
- 無料で利用できる人数・機能
- 有料版の料金
- ガントチャート以外の機能
- 操作性・視認性
- 対応しているOS・デバイス
- サポート内容
- セキュリティ対策
- データ連携機能
それぞれの内容について詳しく解説します。
ポイント1:無料で利用できる人数・機能
ガントチャートツールは有償版や無料版、一定期間無料で使えるものなど、様々なタイプがあります。無料版の場合、利用できる人数やタスク、プロジェクト数、ストレージ容量に制限がある可能性が高いため、事前に確認しておきましょう。
また、プロジェクトの要件に合う機能が用意されているかどうかの確認も必要です。プロジェクトに合ったテンプレートが用意されていれば、マスタ作成の手間を省けます。
ポイント2:有償版の料金
将来的に自社の規模や人数が増えた場合、無料版では物足りなくなる可能性があります。企業の成長を想定し、有償版の料金がどれくらいか、トータルでどれくらいの費用が発生するのかも予測したうえでツールを選定しましょう。
ポイント3:ガントチャート以外の機能
ガントチャート以外で、プロジェクト管理に役立つ機能が備わっているかどうかも確認しておくとよいでしょう。たとえば、期限に対する通知やリマインダー機能などがあると、タスクの見逃しを防げます。
機能の活用方法がイメージしにくい場合は、製品ページにある「導入事例」を参考にするのがおすすめです。自社と同じ業界や近しいビジネスモデルの企業を参考にすれば、ツール導入の効果を具体的にイメージできるでしょう。
ポイント4:操作性・視認性
ガントチャートツールは、プロジェクトに関わるメンバー全員が使用します。そのため、誰にとっても使いやすいガントチャートツールであるかどうかを事前に確認しておきましょう。操作性・視認性が良くないと、操作に慣れるまでに時間がかかったり、プロジェクトの内容を一目で把握できなかったりと、様々なトラブルにつながります。無料トライアルを実施しているツールがあれば、事前に操作性・視認性を確認したうえで導入を検討するのがおすすめです。
ポイント5:対応しているOS・デバイス
ガントチャートツールが対応しているOS・デバイスの確認も必要です。また、ガントチャートを社内だけで利用するのか、外出先でも利用する予定があるのかによっても、選ぶべきツールは変わってきます。外出先でガントチャートを確認したい場合は、モバイルアプリケーションに対応したツールを選ぶのがおすすめです。
ポイント6:サポート内容
マニュアルや日本語対応の有無も、ガントチャートツールを選ぶ際に重要なポイントです。特にガントチャートツールを初めて導入する場合は、サポート体制が充実しているツールが安心です。サポート内容だけではなく、サポートの時間やサポート方法(電話やメール、チャットなど)も併せて確認しておきましょう。
ポイント7:セキュリティ対策
プロジェクトの規模が大きくなればなるほど、取り扱うデータも増えていきます。企業の機密情報や顧客の個人情報などの重要なデータを扱う場合、高いレベルのセキュリティ対策が不可欠です。導入するツールがどのようなセキュリティ対策を講じているのか、セキュリティレベルの評価も事前に確認しておきましょう。
ポイント8:データ連携機能
ガントチャートツールを選ぶ際は、データ連携機能も確認しましょう。ツールにデータのエクスポートやインポート機能があると、他ツールとの連携やデータ移行をスムーズに行えます。Googleカレンダーやチャットツールなど、外部のツールと連携できるガントチャートツールも多くあります。普段使ってるツールと連携できれば、プロジェクトをより効率的に進められ、データ連携の負担を軽減することが可能です。
ガントチャート機能がある国内のツール5選
1.みんなでガント.com
みんなでガント.comはWebベースで提供されているフリーガントチャートツールです。
<メリット>
まず、Webベースで提供されているので、共有が非常に簡単です。
作成したガントチャートのURLを配布すれば、誰でもアクセス&編集できます。
また、フリーながら多機能なことも魅力的です。
データのCSVインポート&エクスポートや、簡易SNSメッセージにも対応しており、マイルストーンの作成もできるのでプロジェクト管理を行いやすいツールです。
<デメリット>
デメリットとしては、セキュリティ面での不安が挙げられます。
みんなでガント.com有償版ではSSL暗号化に対応しているものの、フリー版ではセキュリティが弱いと言えます。
従って、重要度の高いプロジェクトに関しては課金して利用するのが無難でしょう。
2.Brabio
Brabioは「エクセルの10倍速くガントチャートが作れる」というコンセプトの通り、とにかくサクサク表を作成できるフリーガントチャートツールです。
<メリット>
Brabioのメリットはガントチャートをサクサク作成できるのはもちろん、何と言っても無制限にプロジェクトを作成できるところにあります。
フリーで提供されているガントチャートツールは、基本的に作成できるプロジェクトに限りがあるのですが、Brabioならそのような制限がありません。
強いて言えば、フリー版で提供されているストレージが50MBなので、その範囲内に収まればいくらでもプロジェクトを作成できます。
<デメリット>
デメリットとしては多機能であるがゆえに、慣れるまでに多少の時間がかかることが挙げられます。
しかし、裏を返せばそれだけガントチャート利用の幅が広がるということなので、メリットとして捉えることもできます。
3.クラウドログ
クラウドログは工数管理に特化したクラウド型のプロジェクト管理ツールです。
<メリット>
クラウドログはシンプルで分かりやすいユーザーインターフェイスを搭載しており、ドラッグ・アンド・ドロップで簡単に工数を登録することができます。
ガントチャートもドラッグ・アンド・ドロップで簡単に作成を行うことができ、工数管理とプロジェクト管理を同時に行えることも特長です。
作成できるプロジェクトの個数に制限はなく、作業別や工程別、企業別、商品別などカテゴライズして工数管理ができるのも嬉しいポイントです。
また、出力できるレポートも豊富でプロジェクトの進捗報告やプロジェクトの評価を容易に行うことができます。
完全にフリーではありませんが、14日間の無料トライアルがあるので、ツールの使い勝手を十分に試せます。
プロジェクト管理と同時に工数管理まで行いたい方にはおすすめのツールと言えます。
<デメリット>
基本フリー+オプション課金という料金体系ではなく、定額制のサービスであるためランニングコストがかかります。
自社の求める機能があるかどうかで購入を判断する必要があるでしょう。
以上が、国内のフリーガントチャートツールとなりますが、いずれも無料版・有償版どちらも提供されているツールです。
無料版で使い込むこともできますが、より高度な機能を利用するためには、やはり有償版へのアップグレードが必要になるでしょう。
4.Lychee Redmine
Lychee Redmineは、ガントチャートやカンバン、ダッシュボードなど、プロジェクト管理に必要な機能を多く搭載したツールです。クラウド版とオンプレミス版があり、クラウド版でフリープランが提供されています。
<メリット>
Lychee Redmineのフリープランでは、ガントチャート機能を無料で利用できます。ユーザー数に関係なく基本的な機能を利用できるため、メンバーの多いプロジェクトにもおすすめです。
<デメリット>
Lychee Redmineのデメリットは、フリープランでは一部の機能しか利用できない点です。たとえば、リマインダー機能やコスト管理機能などを使いたい場合、有償版へのアップグレードが必要となります。
5.jooto
jootoはシンプルなデザインが特徴の、操作性に優れたプロジェクト管理ツールです。PCにもスマートフォンにも対応しています。
<メリット>
jootoのメリットは、4人までは無料プランを利用できる点です。また、ガントチャート作成だけではなく、予実と実績の数値管理なども行えます。
<デメリット>
jootoの無料プランは、ストレージ容量に制限があります。そのため、4人以上でツールを使いたい場合や、ストレージ容量を気にせずに利用したい場合は、有償版へのアップグレードが必要です。
以上が、国内のフリーガントチャートツールとなりますが、いずれも無料版・有償版どちらも提供されているツールです。
無料版で使い込むこともできますが、より高度な機能を利用するためには、やはり有償版へのアップグレードが必要になるでしょう。
ガントチャート機能がある海外のツール5選
ここからは、ガントチャート機能がある海外のツールを5つ紹介します。
1.GANTTplanner
GANTTplannerはGoogleカレンダーとの同期に視点を置いたフリーガントチャートツールです。
<メリット>
世界中に多くのユーザーが存在するGoogleカレンダーですが、Googleカレンダーに登録した予定をそのままガントチャートに落とし込むことができれば、これほど業務効率化になることはありません。
GANTTplannerは、そのようなGoogleカレンダーユーザーの要望を叶えたツールです。
双方からの同期が可能なので、これまで以上にプロジェクト管理が捗ることは間違いないでしょう。
<デメリット>
デメリットとしては、無料版だと共有機能がないことでしょう。
他者と共有したい場合は課金する必要があるので、無料版では個人的なタスク管理におすすめです。
2.Gantter
Gantterは、多数のプラットフォームに対応しているフリーガントチャートツールです。
<メリット>
Googleドライブ、ドロップボックス、Oneドライブなど、Gantterは各オンラインストレージへのデータ保存が可能な数少ないガントチャートツールです。
最近では、「Gantter for Google Drive」と呼ばれるGoogleドライブ専用のアプリが提供されています。
Google Chromeアプリ、Androidアプリ、Google Appsに対応しているので、Googleサービスを多く利用している方には大きなメリットとなるでしょう。
<デメリット>
UIがMS Project(Microsoftが提供するプロジェクト管理ツール)にかなり近いため、MS Projectの使用感に抵抗がある方にはおすすめできません。
4.Tom’s planner
Tom’s plannerは、Webベースで提供されているフリーガントチャートツールです。
<メリット>
Tom’s plannerには、無数のテンプレートが用意されていて、ビジネスシーンのみならずプライベートシーンでも活用できるガントチャートツールです。
また、テンプレートがあるので初心者にもおすすめです。
<デメリット>
デメリットとしては、無料版で作成できるプロジェクトは1つだけということです。
プライベートシーンならまだしも、ビジネスシーンでは複数プロジェクトが作成できないのは、難点と言えます。
4.Asana
Asanaは、タスクやプロジェクトを一元管理できるツールです。プロジェクトの進捗やスケジュールを確認できる機能や、タスクの抜け漏れを防止できる「マイタスク」機能を提供しています。Asanaは「Basic」「Premium」「Business」「Enterprise」という4つのプランを提供しており、Basicプランは無料で利用可能です。
<メリット>
Asanaは10人までであれば無料プランを使い続けられます。また、直感的な操作性で使いやすい点も特徴です。タスクの開始日や期限などが一覧で表示される仕様となっており、プロジェクトの進捗を素早く把握できます。さらに、ZoomやTeams、SlackなどのアプリケーションとAsanaを連携することで、日々の業務やタスク管理を効率化できます。
<デメリット>
Asanaは、無料で利用できるユーザー数に制限があります。そのため、大規模なプロジェクトでガントチャート機能を使いたい場合は、有償版へのアップグレードが必要です。
5.GanttProject
GanttProjectは、GNU GPLが提供しているプロジェクト管理用のフリーソフトです。ガントチャート機能やタスク管理機能、リソース管理機能、カレンダー管理機能など、プロジェクト管理に役立つ機能を多く搭載しています。
<メリット>
GanttProjectはオープンソースソフトウェアであるため、無料で使い続けることが可能です。また、エクセルでの出力にも対応しています。
<デメリット>
GanttProjectのデメリットは、日本語に対応していない点です。また、ソフトウェア型であるため、クラウドやモバイルには対応していません。
まとめ
ガントチャートで実現できることをはじめとして、国内外のガントチャート機能があるツールについてご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。
これまでエクセルでガントチャートを作成していた方や、エクセルが苦手でガントチャートツールを使ったことがないという方も、是非本記事で紹介したツールを利用してみてください。
人から聞くことも大事ですが、まずは実際に利用してみることで理解が深まるので、ガントチャートを使ってみようと思ったら、無料のツールから利用してみるのがおすすめです。
その上で、社内の管理体制に見合ったツールや予算に見合うツールの導入を検討するのが良いでしょう。