小売業でも、販売流通や店舗での人件費等をトータルで考えた管理が必要となってきています。
コストダウンの重要性が叫ばれて久しいですが、今後もその流れは変わらないと予想されます。
その中で、いかに最低限のコストで最大限の利益を生み出せるかが、企業の浮沈を左右すると言っても過言ではありません。
まずは予算と実績の乖離分析から始め、なぜその差が生まれるのか、その差を少しでも埋めていくために、何が必要なのかといったことから考えることが大切です。
そのために工数管理を採り入れて、従業員の日々の働きぶりを可視化することから始めてみましょう。
工数管理に関する考え方の基礎の基礎について見ていきます。
1．小売業での工数管理で課題を収集
近年は、多店舗展開している小売・サービス業が多く、こういった業界では、慢性的に人材不足となっているケースが見られます。
さらに、働き方が多様化してきており、正社員だけではなく、パート、アルバイトの社員、派遣社員など、雇用形態も多岐にわたっています。
このため、労務管理の負荷が大きくなってきているのが現状です。
それ以外にも、時間厳守、サービス残業の是正など、コンプライアンスも強化する必要があり、労働時間の適正な管理が必要とされています。
しかし、適切な工数管理を行いたいと考えていても、企業によっては余裕がない、ということもあるのではないでしょうか。
そこで、工数管理をシステム化するなど、外注することで打開できる部分もあります。
多くの小売業の現場においては、手戻りを減らしたい、品質を向上したい、さらには無駄を減らしたい、と考えていると思われます。
こういった改善意欲を持っているのにもかかわらず、管理を怠っていてはいつまでもたっても改善することはできません。
工数管理を行うことによって導き出された工数データから、業務、作業などの改善点や社員の日々の仕事ぶりを把握することが大切です。
工数管理の結果を活用することで、企業においての改善点を見出すことができて、さらには改善の糸口を掴むことができます。
例えば、全体でどのくらいの工数がかかっているのか、またどれぐらいの工数が投入されているのかなど、具体的な作業量が見えてきます。
そういったデータを把握することで、企業において何をどの程度改善すれば良いのか、またどの程度の作業量なら問題ないのかなどを把握することができるようになります。
また、小売業においては、計画通り仕事が進まない、業務が滞ってしまう、などといった問題もあると思います。
適切に工数管理を行い、タイムシート等を分析することで、その他の要因を掴むことができます。
工数管理を行うことで、今現在の企業の現状、そして事実を客観的なデータから知ることができ、今後に生かすことができると言えます。
また、それをもとに改善した結果なども数字で把握することができます。
結果を数字で確認することで、やり甲斐が見えてくるというメリットがあるので、継続しやすいという特長もあります。
2．工数管理のテンプレートを使用する
工数管理を開始するには、テンプレートを使用するのが良い方法だと言えます。
工数管理のテンプレートでは、勤怠管理を適切に行うことができるほか、人件費の削減など、人的な面での工数管理が可能となっています。
テンプレートのメリットとして、小売業、サービス業ならではのシフト管理、さまざまな雇用形態などに対応した勤怠管理を行うことができ、複雑化している働き方にも対応していることが挙げられます。
そのため業務を効率化することが可能で、一目で人件費の無駄が分かり、それらを削減することができるというメリットがあります。
また、シフト管理を行うことで、時間外労働の多い従業員を把握することができるため、事前に適切な対策を立てることができるといったメリットもあります。
さらに、人的な戦略を立てる際にも工数管理から得られるデータが役に立ち、将来の従業員の育成計画を立てるのにも適していると言えます。
工数管理を行うにはある程度の負荷がかかりますが、その場合は外注することによって管理を簡略化することができ、管理の面での負荷の軽減も期待できます。
適正な時間管理をすることで、小売業、サービス業などで問題となりがちな、人的経費の問題を軽減することができるので、生産効率も自然に上がることが期待されます。
現代では、多方面にチェーン化しており、労務管理がバラバラとなっていることも多く、一本化したい、と考えている方も多いでしょう。
また、最近ではコンプライアンスや労務管理の適切化が課題とされていますが、アルバイト、パート社員など、さまざまな形態で働く社員の労働時間を一括で管理することができ、適正な労働をしてもらえるというメリットもあります。
また、人件費を実際にかかったコストをもとに正しく把握することができるので、人件費のムダを省くための打開策を得られ、業績アップを期待することもできます。
工数管理を行うことで、小売業にとって多くのメリットがあり、企業においてもプラスになることが多いと言えるでしょう。
データを自動作成することもできるので、今後の改善点などを見出すことが可能で、将来的にも役立てられるというメリットもあります。
3．小売業に、どの工数管理システムが適しているかを見極める
工数管理システム、またはテンプレートを取り入れるためには、どのシステムが適しているのか、その企業に合っているのかなどを考える必要があります。
例えば、小売業の場合には、工数管理や勤怠管理などの他にも、商品在庫数の把握、システム自体を管理することも重要なタスクと言えます。
小売業では、当日のうちに販売実績、在庫数などを知ることができる場合と、そうではない場合で課題が異なってきます。
販売実績、在庫状況を管理することができ、お客様に販売できる数量が把握できていれば、費用対効果を最適化することができます。
そういった意味でも小売業の場合は、在庫状況、販売実績などを管理することも大切だと言えます。
工数管理システムには様々なものがありますが、販売、分析といった小売業において必要とされる機能がバランスよくまとまっているか、企業の規模にマッチしているかなどを総合的に判断することが求められます。
一つのメーカーでカバーしている場合には、不具合、トラブルなどがあった場合にも、該当メーカーで対応可能なので、不具合原因の切り分け作業がなくなることや煩わしい作業をしなくて済みます。
サポート体制など適切な体制が敷かれている製品の場合、利用する側の負担も少なくて済みます。
システムを導入することによって、どの店舗でどの商品がどれだけ販売されたのか、ということをリアルタイムで確認することができるようになることもメリットの一つです。
そうすることで店舗の在庫数、取り置きなど、すべてを一元管理することができます。
小売業の場合、欠品、機会ロスなどが課題となることも多いですが、正確な販売可能数を把握することができ、商品補充、欠品の場合には店間移動で対応できるので、お客様の期待にも応えられ、販売チャンスの拡大にもつながります。
これらのシステムを導入することで、お客様の要望にも応えることができるようになり、顧客満足度向上にもつながります。
このように、小売業において、適切な勤怠管理・工数管理、また、売上在庫管理の工数管理システムを置くことで、さまざまなメリットがあると言えます。
工数管理システムの導入によって、小売業の課題であると言われている勤怠管理、または人件費削減にもつながり、売り上げアップも見込めるでしょう。
最終的には顧客満足度向上につながり、好循環が期待できる環境が整います。
4．まとめ
小売業における工数管理についての考え方やメリットについて見てきましたが、いかがでしたでしょうか。
小売業は特に一般消費者に直結する業種であることから、販売チャンスを逃すと大きな損失になってしまいます。
そういった意味でも工数管理だけではなく、在庫管理なども適切に行うことで、販売チャンスを最大限に活かすことにつながります。
工数管理というと堅苦しく思われる方もいるかもしれませんが、まずは予算と実績の照合からはじめ、どのように人を動かしたり、在庫管理をしたりしていくのが最適なのかを判断するなど、徐々にステップアップしていくと良いでしょう。
