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キャッシュフロー管理についてイチから解説! ~お金の流れを正しく理解しよう~

キャッシュフロー 売上管理 予測

キャッシュフローについて、その考え方を具体例も交えながらご紹介していきます。
企業や事業活動を行う組織を運営していく上で、キャッシュフローを適切に管理することは、とても大切なことです。

というより、これができていないと、組織を円滑に運営していくことができません。
慈善団体であれば別ですが、組織として従業員を雇用し、利益を上げることを目的としているなら、必ず理解して実践しておきたい内容となっています。

個人の資金繰りにも役立つので、どうぞご覧下さい。

 

 

そもそもキャッシュフローとは?わかりやすく解説!

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新入社員や、個人のノルマを全力で追いかけている営業パーソンにはあまり馴染みのない考え方かもしれませんが、社長や幹部、財務の中核にいる人であれば、必ず知っておいてほしいことがあります。

それは、「キャッシュフローの管理と予測の大切さ」です。
現段階で、企業の中である程度のポストに着いている方であれば、「そんなことは当たり前だ」、と思うかもしれませんが、その「当たり前」だと思っていることに向き合って考えてみてください。
新しい考え方や、経営方針が生まれるかもしれません。

そもそも、「キャッシュフロー」とは一体何なのでしょうか。
企業の「キャッシュフロー」とは、そのまま日本語訳すれば「キャッシュ」は「現金」となり、「フロー」は「流れ」という意味になります。
つまり、「キャッシュフロー」とは、お金の流れのことを言います。

一定期間に入ってくるお金を「キャッシュ・イン・フロー」、出ていくお金を「キャッシュ・アウト・フロー」と呼び、2つを合わせて「キャッシュフロー」と呼びます。

営業パーソンが商品の販売を決めたが、支払いが振り込みである場合、お金はその段階で入金されていませんが、計算上は「売上」の一部として計上されます。
決算書の損益計算書に書いてある売上高や、純利益等は本当のお金の動きとは少しずれています。
この不思議な計算方法を皮肉って、「利益は意見、キャッシュは事実」などと言われることもあります。

「利益」という概念は、実際の現金とは少し異なるもので、会社の中で会計を担当する人がお金の動きを把握しやすいように作られたものです。
有価証券報告書等を見ると、「キャッシュフロー計算書」に、営業活動、投資活動および財務活動によるキャッシュフローという項目が出てきます。

営業活動によるキャッシュフローとは、営業パーソンが取ってきた契約、つまり実際に稼いだお金のことを言います。
投資活動によるキャッシュフローとは、設備投資や、有価証券投資、さらには企業の買収等に支払ったお金のことです。
財務活動によるキャッシュフローとは、借金の返済、増資のための配当金支払い等に支払ったお金のことです。

また、営業活動によるキャッシュフローと投資活動によるキャッシュフローを足したものを「フリー・キャッシュ・フロー」と呼び、この部分が、企業が自由に利用できるお金となります。
これらの理想的なキャッシュフローの状態は、営業キャッシュフローをプラス、投資キャッシュフローをマイナス、財務キャッシュフローをマイナスの状態にすることです。

キャッシュフローの考え方と具体例

キャッシュフロー 売上管理 予測

「キャッシュフロー」というと、横文字でなんだか難しく感じてしまいますし、出てくる言葉も「有価証券報告書」や、「貸借対照表」など、経理に慣れている方でなければ頭を抱えてしまいそうになるでしょう。
しかし、シンプルに考えればそこまで難しいものではありません。

例えば、大企業でのキャッシュフローと考えると、複雑に思えてしまいますが、個人で何か事業を行った場合のキャッシュフローがどうなのか考えてみましょう。
商売の基本は「安く買って高く売る」ですから、それに則って、インターネットでモノを1個100円で仕入れて、150円で販売する事業を個人で展開したとします。
※個人で行っているという仮定であることと、わかりやすくするため、人件費や税金などは除外します。

例えば、元手が50,000円あったとしたら、どうしますか?
いきなり50,000円全部使って、500個の商品を仕入れるでしょうか?

それは非常に危険な判断です。
なぜならば商品は、常に「売れるかわからない」というリスクがつきまとうからです。
「商品棚に並んだ瞬間、すぐに全部売れる」というのは机上の空論でしかなく、実際には、1年経っても半分しか売れずに、在庫処分で半額セールに出す、などといったことも少なくありません。
そうなると、結局、経費や人件費、税金を引くとほとんど残らない、ということにもなりかねません。

すぐに使える現金が無い状態で、商品しかない場合、他に何か必要な支出が出てきた場合に、その支払いができなくなってしまいます。
よく言われる「黒字倒産」も、この分類になります。

話を戻して、50,000円の元手のうち30,000円を仕入れに使ったとしましょう。
すると、300個の在庫が手に入ります。
その在庫を保管するために1,000円/月かかるとします。

また、販売に際して1商品につき、経費が10円かかるとします。
そして、売れる数は1日に5個だとします。
1ヶ月後、商品は150個売れ、22,500円の売上になります。
手数料が1,500円、在庫の保管に1,000円かかりますので、合計2,500円引かれます。

すると、現金で手元に残るのは、40,000円になります。
元手が50,000円なのに、1カ月経ってもマイナス10,000円なのです。

この場合、営業キャッシュフローがプラス22,500円、投資キャッシュフローがマイナス32,500円、財務キャッシュフローが0円という形になります。

ただし、仕入れをせずに翌月その商品を販売し続ければ、商品は150個売れ、前月同様に22,500円の売り上げで、2,500円引かれて20,000円のプラスになります。
この場合は、営業キャッシュフローがプラス22,500円、投資キャッシュフローがマイナス2,500円、財務キャッシュフローが0円になります。

この月は大幅にプラスになり、前月のマイナスを取り戻し、さらに1万円プラスになります。
もともと50,000円手元にあったお金が、60,000円となります。
しかし、こうなると在庫がなくなってしまうため、再び在庫を購入しなければなりません。
ですので、翌月はまた厳しい状況が見込まれます。

実際にはもっと複雑で、何もせずに毎日5個の販売が続くという可能性も高くありませんが、キャッシュフローの考え方はご理解いただけたのではないでしょうか。

キャッシュフロー管理で大切にしたい3つのポイント!

キャッシュフロー 売上管理 予測

仕入や在庫の支払いに関して、管理のポイントは大きく3つあります。

1.締日を意識して仕入れをする

まずは、「締日を意識して仕入をする」ということです。
仕入れに関しては、売上の回収とは反対の考え方になります。
締日の前にはできるだけ仕入をせず、在庫数を減らすことが重要です。

例えば、月末に締められて、翌月25日払いの商品を仕入れた場合、その月末に仕入れた商品は翌月25日に支払わないといけません。

一方で、翌月1日に仕入日を1日ずらすことによって、支払日まで約55日間の猶予を得られることになります。
その猶予の中で販売をやり繰りして増えた現金の中から、その分の支払いを行うというスタイルを確立すれば、お金が減るということはありません。

2.売上代金の入金日と仕入れ代金の支払日のバランス

2番目に、売上代金の入金日と仕入れ代金の支払日のバランスを考慮することです。
これは、売上代金が回収される日と、仕入代金が支払われる日を考慮することで、キャッシュフローが改善されるという意味です。

例えば、売上も仕入もどちらも月末締めの場合、仕入代金の支払日が25日だったら、売上代金の回収日をその前(例えば20日)に持ってこなければ、売上の中から支払うという構図でビジネスを展開することが難しくなってしまいます。

これを無視して、例えば売上代金の入金が30日となってしまうような場合は、仕入代金を支払う資金が別途必要になり、場合によっては借入金を調達しなければならない可能性も出てきます。

他にも、例えばメーカーの場合は、仕入れから支払いまでに時間がかかります。
なぜならば、材料を仕入れた後、加工する時間が必要だからです。
このため、製造工程を効率良くして、仕入れから商品が棚に並ぶまでの時間を短縮する一方で、売上代金の入金日と仕入代金の支払日のバランスを考慮して、「入金があってから支払う」というビジネスモデルを構築する必要があります。

3.在庫を抱えすぎない

3番目は、「在庫の数はここまで」と決めてしまい、それ以上の在庫は抱えないようにすることです。
キャッシュフローを悪くさせる要因の一つに、「在庫」を抱えすぎることが挙げられます。

在庫がある程度ないと、商売は成り立たちません。
一方で、在庫が長い期間残ったままになってしまうと、在庫を保管するための費用もかかります。
場合によっては、デッドストック(不良在庫)となってしまい、その保管にお金だけがかかってしまうという構図にもなりかねません。
この場合、在庫はお金に変えられないため、キャッシュフローに悪影響を及ぼしてしまいます。

このため、締日直前はもちろんのこと、必要以上の在庫を持たないよう、常日頃から在庫を適正に保つための管理が必要です。

まとめ

キャッシュフローに関する考え方や管理のポイントなどについてご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。

キャッシュフローという言葉には馴染みがあっても、管理したり予測したりしようとすると意外と難しいものです。
一方で、企業や事業を行う組織にとって、キャッシュフロー管理を適切に行うことが重要なのは間違いありません。

上手く管理できないと黒字倒産にもなりかねない事案なので、今回紹介したようなポイントは守って、事業を行っていきたいものです。

とは言え、論理だけ理解していても、やはり相応の経験がモノを言ってくる世界なので、まずは経験のある人の下について、一緒に管理を行っていくのが良いでしょう。

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