Web開発における工数管理というテーマで、仕事の効率化やコスト削減について考えていきます。
Web開発では、スケジュール管理や人員調達といった難しい問題がありますが、工数管理を行うことで、少なからず解決の糸口を見出せる部分もあります。
工数管理を行うことで、プロジェクト全体の費用対効果の確認や、各メンバーの作業状況と工数を確認することができます。
開発が順調に進んでいれば問題ありませんが、そうではない時に、全体の状況を把握しておくことで、次の一手を打ちやすくなります。
まずは、工数管理を行うことによるメリットをご認識いただければ幸いです。
工数管理をすることで作業状況が見えてくる
そもそも工数管理というのは、作業工数がどれくらいかかっていて、現在の状況がどのようになっているのかを知るために利用されるという面もあります。
工数計画と工数実績がわからないままだと、何を行っているかを把握することができないまま作業を完了することになり、改善する糸口が見えないままとなってしまいます。
それを避けるために行うのが工数管理であり、作業がどれくらい進んでいるかを把握して、問題がある箇所は改善することで、円滑な進捗につなげていきます。
Web開発でも同様で、開発者はどのような作業をしているか具体的にわかりにくい部分もありますが、管理者側からすると個人と全体それぞれの作業状況を把握するために工数管理をしたいと思っています。
業務改善を考えていくために、工数管理は必要不可欠なものと言えます。
例えば、1人の人が多くの仕事をしており、他の人は比較的余裕があるのに、仕事が少ない状況になってくると、特定の人に対する工数が多くなっていることがわかります。
また、多くの人が関わっている仕事内容であるケースでも、工数を確認すると、無駄な作業時間が多く発生していることがわかることもあります。
そういった意味で、偏りや無駄な仕事を削減するために、工数管理は必要不可欠であり、そのデータによって管理者は各メンバーに指導を行うことができるようになります。
工数管理がコスト削減にもつながる
工数管理を行うことで、コスト削減も可能になります。
それまではコストがかかりすぎていたことも、問題となっている箇所を削減することによってコストを減らすことができるので、負担をしないで管理することが可能となります。
さらに、多くのコスト削減が可能になることで、仕事の管理もより簡単にできるようになるので、工数管理によって情報を得るのは大切なことです。
現場への改善を促すことは、Web開発にとって重要なことです。
何をしているのかわかりにくいといった問題がある中で、その問題を改善できることが大きなメリットとなり、今後の仕事を変える良いきっかけになります。
中には怠慢をしている社員がいるかもしれず、Web開発においてそういったメンバーがいるのは非常に迷惑なことです。
進捗管理を兼ねて、問題のある箇所を見つけ出せるメリットは大きいと言えます。
Web開発では、スピード感のある仕事、その上でクオリティの高さが求められます。
工数があまりにも多くなっていることで、反対にそういった部分が行き届かないのは良くないので、早めに確認するためにも工数管理を行うのは重要なことです。
Web開発で工数管理をするメリット3選
会社として工数管理をするのは良いことですが、Web開発という分野において、管理をする必要があるのかと微妙に感じてしまうところがあるかもしれません。
実は、工数管理を行うのは重要で、管理しておかないと大きな問題が生まれてしまうこともあります。
特に問題となるのは、コスト削減が全くできないまま、時間だけが過ぎてしまうことです。
工数管理自体は手軽に行うことができるので、管理しておけば無駄な時間が発生しているなどの問題がわかり、メンバーに指導することで改善を図ることができます。
1.作業従事者のクオリティがわかる
メリットとして挙げられることは他にもあり、作業従事者がどのようなクオリティで仕事を行い、適切に進めているかを評価できるという点があります。
これは依頼を出す側だけでなく、Web開発の管理をしている人にとってもプラスになるので、管理をした方が良いでしょう。
人によって仕事ができる人とそうではない人、場合によっては、戦力にならない人が出てくるかもしれませんが、そういったデータを工数管理から読み解くことができるようになります。
2.適切な人員体制を導き出せる
続いて、人員について検討することができるようになります。
人員が多ければ、チャレンジングな仕事なのではないかと判断できることもありますが、人員を削減するためには、工数管理をしておかないと仕事の難易度がわかりません。
もっとわかりやすく仕事をするためにも、工数管理を行うことで、人員が適切に揃っているか、多いか少ないかを見極める必要があります。
そうすることで、コスト削減も可能となり、適切な人員で仕事をできることが大きなポイントと言えます。
3.過去のプロジェクト結果を残すことができる
他にも、過去のプロジェクト結果を残すことができるというメリットもあります。
過去の情報を知っておけば、このプロジェクトはWeb開発でもトラブルが多くあり、失敗が多いなどといった情報を頭に入れておくことができます。
Web開発を進めていくと、どこかでトラブルが起きて、そのトラブルに対応していると、さらに苦戦するということも往々にしてあります。
過去の情報を蓄積しておくことによって、未来のプロジェクトに生かすことができます。
工数管理を行うことで、このようなメリットがあり、ネット分野でも安定感を生み出すことができます。
何よりも大きいのは、人員整理ができることであり、人が多すぎる場合は削減し、足りない場合は、増やした方が良いという判断の助けとなります。
そして、プロジェクト立ち上げの時に、人を適切に配置することで仕事をしやすくできます。
今後、Web開発を行っていく場合は、工数管理にも着目してみると良いでしょう。
管理をしていなかったことで、過去のプロジェクトの状況を知らずに仕事を続けていると、顧客の信頼を失う可能性も出てしまいかねません。
過去の失敗は、確実に認識しておくことが大切だと言えます。
Web開発において工数管理として利用できるツール3選
工数管理をするには、適切なツールを利用することで、より管理を行いやすくなります。
ツールを利用することで、Web開発の状況を把握しやすくなるので、必要最低限のものを準備することが大切だと言えます。
そこで、ツールとして利用できるものを紹介します。
1.Timely
まずは、Timelyというツールがあります。
これは海外で利用されているものなので、日本語で使うことができないというデメリットがありますが、タイミングに関係なく工数を入れることができる点が良いところです。
予定している仕事について入力できるところが大きなポイントで、今日はこの仕事を行うだろうと判断して、未来の工数を入れることができます。
実際に行わなかった場合は、工数が行われなかった原因を探ることができるので、様々な問題点を速やかに見つけることができます。
ただし、日本語に対応していないので、英語がわからないと厳しいでしょう。
2.HARVEST
次に、HARVESTというツールがあります。
このツールは、日本語入力に対応しているところがメリットであり、さらにエクセルのような形式でも入力できるようになっています。
現時点では登録しなくても良いものの、今後登録することになるものを追加できるようになるというメリットもあります。
予定しているものを最初から作り上げて、データとして残せるところがメリットと言えます。
しかし、大半は英語で書かれているので、こちらも英語がわからないと操作に影響が出るでしょう。
3.TeamSpirit
最後に日本のツールであるTeamSpiritです。
このツールは、プロジェクト管理はもちろんのこと、工数管理も安定しており、独自のシステムによってわかりやすく作られています。
現時点で行っているWeb開発について明記することで、複数の仕事が同時に行われていることを示すことができます。
その上で行っていることの問題点がないかを確認して、改善しやすいところがメリットと言えます。
ただし、ソフトの代金が多少かさむという問題があります。
直感的に操作ができて、しかも入力自体も簡単にできますが、お試しできるのは30日間で、その後は有料として使うことになります。
利用を続ける場合は、結構良い金額を払うことになるので、もっと安く使いたいと思っている人には負担に感じるでしょう。
ただし、負担に対して仕事のコスト削減効果も期待できるので、導入することで作業効率を上昇させられるという良さもあります。
上記の3つのツールについては、非常に使いやすいものとなっています。
Web開発をしている人が、どのような工数をこなしているのかについて管理をして、最終的に効率の良い仕事にするためにも必要なツールは使ってみることをお勧めします。
まとめ
Web開発における工数管理というテーマに焦点を当てて、コスト削減や、効率化などについて考えてきましたが、いかがでしたでしょうか。
Web開発業務はとかくスケジュール調整が難しい面もあり、人員調達の難しさもあるでしょう。
そういった中で、工数管理を行っておくことで、完璧ではないにしても、高い確率で適切な人員配置につなげるための助けになることは間違いないでしょう。
特に過去のプロジェクトの成功、失敗といった経験を重ねて、そのデータを蓄積しておくことで、未来のプロジェクトにつなげていくことができます。
どのメンバーが、どの作業工程に、どのくらいの工数を費やしたのかを把握しておくだけでも、管理者としてやるべき仕事は大幅に減ります。
まずは、工数管理を開始して、実際にそのメリットを体感してみると良いのではないでしょうか。