【虎の巻】悩める管理職必読!小手先でない組織の生産性を劇的に向上させる方法

社員の生産性向上に悩みを抱えている管理職の方は多いのではないでしょうか?
「社員一人ひとりの生産性を上げるための方法○選!」のような小手先テクニックでは組織の生産性が上がらないことは、みなご存知だと思います。生産性は会社の利益に密接にかかわるため、多くの管理職の悩みの種となっていますよね。

このような大きな悩みを抱えていませんか?

  • 残業規制の風潮により、少ない工数で成果を上げなくてはならない。
  • 仕事の量は減らないのに人員強化してもらえない。
  • 生産性向上の実践的な取組み方法が分からない。

そこでこの記事では、このような悩みから解放されるよう生産性を向上させる方法を1ページにまとめました!小手先のテクニックはこの記事では一切解説しません。

社員一人ひとりの作業効率化に着目していては、組織の生産性はなかなか向上しません。生産性向上の鍵は、プロジェクトマネジメントの導入です。この記事では、生産性の定義から法的観点(労働基準法)、経営者の視点、生産性を向上させる具体的な方法まで詳しく解説します。5分で読めるボリュームです。ぜひ、この記事を生産性向上に取り組んで下さい。

 

1.生産性とは

生産性 = 生産量 ÷ 労働量

生産性とは、少ない労働力でより多く価値を生み出そうという考え方です。
生産性が向上すれば企業の利益も向上します。

しかし、簡単には生産性が上がらないからこそ多くの管理職が悩んでいます。企業には様々な人が働いています。素質も持っているスキルも異なります。社員一人ひとりの作業効率化に着目していては、なかなか企業全体の生産性は上がりません。

例えば、単純なライン作業や一人で全ての業務を行っていれば、生産性の向上は、ライン作業のシステムの高速化や人員の配置、一人の場合は自分自身の考えや取り組み方で、生産性の向上は可能です。

しかし、大企業から中小企業で働く社員は、業務が細分化され、多くの人の介在が必要になっています。つまり、生産性を向上させるにも非常に複雑な構造になっているのです。だからこそ社員一人ひとりに注目するのではなく「仕組み」に注目しなければならないのです。

 

2.管理者なら必ず抑えておきたい労働基準法の観点と経営者の視点

昔かたぎの管理職であれば、「長時間働くのが当たり前!」「会社の利益を作っているのは現場だ!」「残業規制ばかり要求してくる経営層は何も分かっていない!」このような想いを持っている方も多いのではないでしょうか?

もう1段階上の管理職にレベルアップするために、なぜ近年働き方改革など残業規制が強まっているのかその背景を解説します。生産性向上にプロジェクトマネジメントが重要なのか理解して頂くために必要なインプットですので、必ず読んで下さい。

 

2.1.労働基準法の観点

生産性を考える上で重要な要素が労働基準法です。成果主義や労働生産性の効率化と世の中では言われていますが、実際にはそのようにならない理由の一つに労働基準法があります。まずは以下の条文をご覧下さい。

〈労働基準法第三十七条〉
労働時間を延長し、又は休日に労働させた場合においては、その時間又はその日の労働についは、通常の労働時間又は労働日の賃金の計算額の二割五分以上五割以下の範囲内でそれぞれ政令で定める率以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。六十時間を超えた場合においては、その超えた時間の労働については、通常の労働時間の賃金の計算額の五割以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。

ピンと来た方もいると思いますが、この法律自体が現代の成果主義や労働生産性の効率化から大きくかけ離れています。極端に言えば、成果も出さず長時間業務をした人の賃金が高くなるという仕組みです。昨今の生産性向上からは、かけ離れた法律になっているという大きな問題点があります。

政府や多くの企業はこのことに気づいています。だからこそ、政府も労働時間ではなく成果に対して賃金を払う「脱時間給」の制度化を盛り込んだ労働基準法改正案を進めていますので、少しずつ働き方も変わってくるかも知れません。

 

2.2.経営者の視点

生産性向上とは、単なる定時退社では達成できません。経営者は分かっています。成果も出していないのに業務途中で定時に帰っていては単なる給料泥棒です。「残業規制 = ゆとり・ゆるい仕事」ではまったくありません。よりシビアな要求です。そして、定時内に成果を上げる方法を考えるのが、その組織の管理職です。

現場も当事者意識を持って取り組まなければ達成できません。経営者はそのことに気づいてもらいたいからこそ残業規制を求めるのです。そして、担当レベルでも会社の売上や利益構造に興味を持ち、一人ひとりが会社を経営している自覚を持てるような啓蒙・教育が必要です。

では、どうすれば良いのだ!? とお思いかと思います。その答えがプロジェクトマネジメントの導入です。
次の章では、なぜプロジェクトマネジメントが生産性向上に有効なのか、プロジェクトマネジメントの基礎概念とともに解説します。

 

3.生産性向上のためにプロジェクトマネジメントを導入せよ!

3.1.プロジェクトマネジメントとは

プロジェクトマネジメントとは、開発や製造でよく使われるQCD(品質・コスト・納期)を最適化するための概念です。
世界標準のプロジェクトマネジメントフレームワークである「PMBOK」が有名です。

プロジェクトマネジメントは、納期と成果物(納品物)があるプロジェクト型ビジネスの印象があるかと思います。
しかし、すべての会社の生産性向上に活用できる概念なのです。

なぜなら、プロジェクトマネジメントの概念を取り入れることで、組織の生産性を上げるために必須である要素が明確になり、ルールが定まるからです。
曖昧なルール・計画からは曖昧な結果しか生まれません。もし組織・社員の生産性に不満があるなら曖昧なルールになっている可能性があります。まずゴールを明確にすること。そしてゴールを達成するための最適な方法を逆算で計画し実行できる「仕組み」を作ることで組織の生産性は劇的に改善されます。

 

3.2.組織の生産性向上に役立つプロジェクトマネジメントの知識体系

ここからは、プロジェクトマネジメントの世界標準である「PMBOK」の中から、組織の生産性向上に大活躍する知識体系を抜粋して解説します。プロジェクトマネジメントのフレームワークは1冊の本になるほどのボリュームがあります。教育機関があるほどのものです。まずは概要のみ抑えましょう。

 

・スコープ管理 (Scope Management)

「スコープ」は範囲という意味です。作業範囲と成果物を定義する知識体系です。どのようなタスクが必要か洗い出しも行います。作業範囲や成果物が不明確だと無駄な作業が生まれ、生産性を低下させる要因の1つになります。

・スケジュール管理(Time Management)

スケジュール管理では、「タスク別の作業時間」「タスクの順番」「タスク実施者の割当て」「スケジュール作成」「進捗管理(進捗管理ルールの策定を含む)」を行います。「WBS」と呼ばれるフレームワークを使います。タスクの順番が曖昧だとゴールに最短で到達できません。そしてスケジュールがなければだらけた業務になり生産性が下がります。

〈WBSの例〉

・コスト管理(Cost Management)

コスト管理では、その名の通り「コスト見積り」と「コスト実績の管理」を行います。
「生産性 = 生産量 ÷ 労働力」と前述しました。労働力 = コストです。ゴール達成のために調達した備品などもそれにあたります。生産性を図るには、コスト計画と実績が必要です。社員の時間あたりの単価をしっかり把握しておきましょう。

〈コスト管理レポートの例〉
①メンバー別の工数管理

②プロジェクト別の工数管理

・品質管理(Quality Management)

品質管理では、成果物や業務の達成すべき品質を明確にします。スコープ管理とスケジュール管理が終わっていれば何について品質計画を立てればよいか分かります。品質の定義がされていないと質の悪い成果につながります。そして、やり直しや指示工数などが発生し生産性低下の要因の1つになります。

・組織管理(Human Resource Management)

組織管理では、「体制図」や「役割表」などを作ります。体制と役割が不明確な時に多くの人が「当事者意識」を失います。「当事者意識を失う = 責任意識の低下」です。品質にも影響が出ます。結果として生産性低下につながります。

・コミュニケーション管理(Communication Management)

コミュニケーション管理では、会議体やコミュニケーションルールを策定します。進捗や品質、課題などを「いつ」「誰が」「誰と」「どうやって」確認するか明確にします。これがないとせっかく作った計画とルールが期待通りに機能しているか分からなくなります。もし期待通りに機能していなければ生産性低下につながります。

 

3.3.組織の生産性向上にプロジェクトマネジメントを導入しよう!

このようにプロジェクトマネジメントのフレームワークは、組織の生産性向上に大いに活用できます。
プロジェクトとは以下の定義をすべて満たす活動です。

  • 目的と達成すべき評価可能な目標(QCD)が定められている
  • 期間が決まっている
  • チームを組んで遂行する

そもそも組織にはミッション(役割)があります。組織では、ミッションの達成度を測るために定量的な目標(ゴール)を立てますよね。そのゴールを達成するための活動が業務であり、実行者は組織メンバーです。組織活動は、実はプロジェクトの定義そのものです。

だからこそ、プロジェクトマネジメントのフレームワークを生産性向上のために導入すべきなのです。
プロジェクトマネジメントの良いところは、組織内の1つのテーマから導入できることです。いきなり組織全体に導入する必要はありません。

そして、プロジェクトマネジメントのフレームワークを実践するための便利なツールが多くあります。「プロジェクト管理ツール」や「プロジェクトマネジメントツール」と言われるもので、近年では無料から使えるクラウド型のサービスが主流です。とても便利なツールなので使わない手はありません。

 

4.まとめ

この記事では、生産性向上に悩みを持つ管理職向けに生産性の定義から法的観点(労働基準法)、経営者の視点、生産性を向上させる具体的な方法まで詳しく解説してきました。
生産性向上の小手先テクニック論は多く語られていますが、そのテクニックだけでは組織の生産性を向上させることはできない点お分かり頂けたと思います。生産性向上の鍵は「組織的な仕組み」です。その仕組み作りにプロジェクトマネジメントとプロジェクト管理ツールを積極的に活用して下さい。

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