コミュニケーションマネジメントはステークホルダーとの適切なコミュニケーションのために必要です。しかし、コミュニケーションマネジメントをいざ実践しようにも伝達する情報や時期、手段などを理解しなければ手がつけられません。
- コミュニケーションマネジメントの基礎知識を知りたい
- 現場で使えるコミュニケーションマネジメントの力を身に付けたい
- コミュニケーションマネジメントの成果物を知りたい
といったお悩みを抱えてはいないでしょうか？
本記事ではそんなお悩みを解決するためにPMBOKにおけるコミュニケーションマネジメントの基礎知識から実施作業まで解説します。
プロジェクトでコミュニケーションマネジメントを実践するには基礎知識を理解するだけでなく、実施作業を通して成果物を実際に作成することが重要です。
コミュニケーションマネジメントの確かな力を身につける際にぜひご活用ください。
目次
1．PMBOKコミュニケーションマネジメント
コミュニケーションマネジメントはPMBOKの一領域です。PMBOKとは、プロジェクトマネジメントの手法やノウハウをまとめたガイドです。10の知識エリアに分かれていますが、本記事ではコミュニケーションマネジメントを解説します。
1-1．コミュニケーションマネジメントとは
コミュニケーションマネジメントとは、ステークホルダーが必要とする情報を把握し、正確な情報伝達を担う活動です。
チームメンバーだけでなく、顧客やスポンサーといったステークホルダーを含むことに注意してください。
コミュニケーションを取るのは当たり前だと思われるかもしれませんが、情報をただ伝えればいいわけではありません。
伝えた情報を相手が理解しなければ意味がないのです。
重要な情報であればあるほど、相手が理解したか確認する必要があります。
2．PMBOKコミュニケーションマネジメントの実施作業
コミュニケーションマネジメントの実施作業は計画、実行、監視・コントロールプロセスに分かれています。
各プロセスにおける実施作業を見ていきましょう。
2-1．コミュニケーション・マネジメント計画
コミュニケーション・マネジメント計画では、ステークホルダーの情報ニーズを把握し、コミュニケーションの取り組み方を決めていきます。
ステークホルダーの情報ニーズはステークホルダー登録簿から引き出し、情報伝達の手段やタイミングを定め、最終的にコミュニケーション・マネジメント計画書にまとめます。
＜コミュニケーション・モデル＞
情報を相手に伝えるためには、自身の思考内容を言語化（コード化）し、相手がその内容を理解（解読）しなければなりません。
メッセージの伝達の際には、理解を妨げる物理的、心理的ノイズを認識した上で適切な伝達方法を設計しましょう。
＜コミュニケーション手段＞
以下の3種類のコミュニケーション手段があります。
2-2．コミュニケーション・マネジメント
実行プロセスであるコミュニケーション・マネジメントでは、計画に基づいてプロジェクト情報の収集や配布、管理などを行います。
プロジェクト情報の配布には紙媒体ではなく、プロジェクト管理ツールやグループウェアといったシステムを活用するのが一般的です。
伝達情報であるプロジェクト伝達事項にはパフォーマンス報告書や成果物、スケジュール、コストの状況などが挙げられます。
＜パフォーマンス報告＞
プロジェクトのパフォーマンス情報を収集し配布されます。情報としては、プロジェクトの進捗や予測などが含まれます。
パフォーマンスを理解するために、ベースラインと実績データの比較、分析を行う必要があります。
2-3．コミュニケーション・コントロール
コミュニケーション・コントロールでは、計画に基づいたコミュニケーションが適切に実行されているかを評価、コントロールします。
プロジェクトマネジメント計画書やプロジェクト伝達事項から計画に基づいた情報が配布されているか確認し、計画に変更があれば変更要求を行います。
コミュニケーション・コントロールはプロセスの改善サイクルを回すトリガーになる点を抑えておきましょう。
3．まとめ
コミュニケーションマネジメントでは、「正しい情報」が「正しい時期」に「正しい手段」で「正しい相手」に伝達されるよう管理します。
一方的に伝えることは簡単ですが、相手が理解していなければ意味がありません。
プロジェクトが大規模になるほどステークホルダーも増えるので、コミュニケーションの仕組み化が重要です。
基礎知識を理解した上で、ステークホルダーとのコミュニケーションの実践を通して、現場で力になるコミュニケーションマネジメントを身につけましょう。
