プロジェクトを成功させるためにはステークホルダーの協力が欠かせません。
そのため、ステークホルダーをプロジェクトに巻き込むためにステークホルダーマネジメントが必要です。
しかし、ステークホルダーマネジメントを実践しようにも基礎知識や実施作業を理解しなければ適切なアプローチは難しいでしょう。
- ステークホルダーマネジメントの基礎知識を知りたい
- ステークホルダーマネジメントを実践するための実際作業を知りたい
- ステークホルダーマネジメントの成果物を知りたい
といったお悩みを抱えてはいないでしょうか?
本記事では、そんなお悩みを解決するためにPMBOKにおけるステークホルダーマネジメントの基礎知識から実施作業まで解説します。
基礎知識だけを覚えても現場で使える力は身につきません。
実施作業を通して成果物を作ることで実践力を鍛えることができるでしょう。
ステークホルダーマネジメントの確かな力を身につけるためにぜひご活用ください。
目次
1.PMBOKステークホルダーマネジメントの基礎知識
PMBOKはプロジェクトマネジメントの手法やノウハウをまとめたガイドです。
10の知識エリアに分かれており、その一領域としてステークホルダーマネジメントが含まれています。
1-1.ステークホルダーマネジメントとは
ステークホルダーマネジメントとは、プロジェクトに影響のあるステークホルダーを特定し、プロジェクトの意思決定や実行に関与するようマネジメントする活動です。
全てのステークホルダーがプロジェクトに積極的に関与してくれれば話は簡単ですが、現実はそう甘くはありません。
中にはプロジェクトに否定的なステークホルダーもおり、プロジェクトの進行に大きな影響を及ぼす恐れがあります。
そのため、ステークホルダーの期待や影響度を分析し、プロジェクトに協力してくれるよう働きかけるのがステークホルダーマネジメントの目的です。
2.PMBOKステークホルダーマネジメントの実施作業
ステークホルダーマネジメントは、立ち上げから監視・コントロールプロセスまで実施作業がまとめられています。
それぞれの作業を見ていきましょう。
2-1.ステークホルダー特定
プロジェクトに影響を与える人や組織といったステークホルダーを特定し、プロジェクトに対する利害や関与度、影響度を文書化するのがステークホルダー特定です。
プロジェクト憲章や調達文書からステークホルダーを洗い出し、役割や影響度といった関連情報を特定していきます。
ステークホルダーに関する情報をまとめたステークホルダー登録簿は戦略を策定するための情報源として利用されます。
<ステークホルダーの分析マトリクス>
権力と関心度によりステークホルダーを分析し、対策を検討する材料にします。
2-2.ステークホルダー・マネジメント計画
ステークホルダー・マネジメント計画では、プロジェクトを通してステークホルダーに積極的に関与してもらうようマネジメント戦略を立てます。
ステークホルダー特定で作成したステークホルダー登録簿をもとに分析技法を用いてステークホルダー・マネジメント計画書を作成します。
<分析技法>
現状のステークホルダーの立ち位置とプロジェクトで期待する立ち位置を定め、分析をしていきます。
2-3.ステークホルダー・エンゲージメント・マネジメント
プロジェクトを通してステークホルダーとコミュニケーションし、ステークホルダーのニーズや期待を満足させることでプロジェクトへの関与を強化するのがステークホルダー・エンゲージメント・マネジメントです。
ステークホルダー・マネジメント計画書およびコミュニケーション・マネジメント計画書に記載のコミュニケーション方法やマネジメント戦略をもとにステークホルダーに働きかけます。
その結果として課題や計画の変更が生じた場合は課題ログの作成や変更要求を行います。
2-4.ステークホルダー・エンゲージメント・コントロール
プロジェクトが進むにつれ、ステークホルダーとの関係性が変わってきます。
そのため、ステークホルダーとの関係性を監視し、マネジメント戦略や計画を調整するのがステークホルダー・エンゲージメント・コントロールです。
課題ログや作業パフォーマンス・データから現状や課題を確認し、作業パフォーマンス情報として実績を明らかにします。
3.まとめ
プロジェクトには様々なステークホルダーが関わります。
積極的に関与してくれる人もいれば、見向きもしないステークホルダーも実在します。
多様な思惑を抱えたステークホルダーの協力を得るためにもステークホルダーマネジメントが重要になってきます。
基礎知識を理解することに加え、実施作業を通して成果物を作成することでステークホルダーマネジメントの確かな力が身につけましょう。