人手不足を背景にリモートワークが注目を集めています。多様な働き方を許容し、労働環境の改善に取り組む企業が増えているのです。
しかし、労働環境は簡単に変えられるものではありません。リモートワークを導入してもこれまで通りの考え方ではすぐに逆戻りしてしまうでしょう。導入にあたっては準備が大切です。
- リモートワークをどのように導入すればいいのかわからない
- リモートワークに必要なツールがわからない
といったお悩みを抱えてはいませんか?
本記事では、そんなお悩みを解決するためにリモートワーク導入時の注意点や必要なツールまで解説します。
リモートワークの導入をご検討の際にぜひご活用ください。
目次
1.リモートワークとは
リモートワークの導入に話を移す前にその概要をきちんと把握しておきましょう。そもそもリモートワークとは、オフィスを離れて仕事をする形態を意味します。在宅勤務やテレワークといった類似の言葉もよく使われますが、どれも意味は同じです。
オフィスを離れるというところがポイントです。企業にとっても働く社員にとっても場所を気にせず働けるのは大きなメリットがあります。そのメリットについて見ていきましょう。
1-1.リモートワークのメリット
リモートワークのメリットは主に以下の4つが挙げられます。
<通勤時間がかからない>
リモートワーク最大の特徴といえば、場所を問わず働けることでしょう。わざわざオフィスに行く必要がないため、通勤に時間をとられないのは大きなメリットです。
また、通勤ラッシュを避けられるのも利点です。満員電車に揺られて会社に着く頃には、かなりの体力の消耗を感じている方も少なくないでしょう。通勤時間がなくなることで時間の節約やストレス削減につながります。
<出産や育児、介護等と仕事の両立がしやすい>
仕事との両立が難しく退職してしまう理由として、出産や育児、介護が挙げられます。保育所に入れない待機児童が増え、介護もなかなか人に任せられないなかで、通常通り勤務するのは困難です。リモートワークであれば在宅でも仕事ができ、自分のペースで働けるメリットがあります。
人手不足は採用だけの問題ではありません。既存社員の離職も人手不足に拍車をかけます。そのため、既存社員にとっても働きやすい環境を提供するのも人手不足解消に役立つメリットといえるでしょう。
<全国から人材を採用できる>
一般的に採用はオフィスがある拠点が中心となります。そのため、獲得できる人材も拠点近辺に限られてしまいます。人手不足が加速している現状では、地理的な制約が採用をさらに困難にします。
リモートワークを導入すれば、場所を問わず全国から人材を採用することが可能です。場所を選ばないだけで獲得できる人材は一挙に増えるでしょう。人手不足に悩む企業にとっては魅力的な選択肢です。
<経費を削減できる>
リモートワークを導入することで必ずしもオフィスで働く必要はなくなります。その結果、オフィスで働く社員が減り、経費の削減につながります。交通費はもちろん、備品にかかる費用も削減でき、オフィスを縮小することも一つの選択肢として考えられます。リモートワークは企業の支出削減という観点でもメリットとなるのです。
2.リモートワークが失敗する理由
メリットばかりが注目を集めますが、リモートワークにはデメリットもあります。そのデメリットを理解して対策を講じなければ、導入は失敗に終わります。リモートワーク導入を成功させるために、失敗理由から学びましょう。
2-1.コミュニケーションが取れない
リモートワークではコミュニケーション不足が重要な問題となります。社員がオフィスから離れて働いているため、頻繁に顔をあわせる機会が減ってしまうからです。メールや電話といった従来のツールだけでリモートワークを導入するのは失敗の原因となります。適切なコミュニケーションツールを用意し、ルールを整備することが重要です。
2-2.作業内容が把握できない
オフィスに集わないことで生じる新たな問題は、個々の社員の作業内容が把握しづらい点です。仕事をしているといってもその進捗状況やスケジュールがわからず、リカバリーが間に合わないというのがリモートワーク導入の失敗理由として挙げられます。特にプロジェクト単位で業務を行なっている場合は、きちんと工数を管理し、進捗状況を把握しなければなりません。
2-3.ナレッジが共有されない
オフィスではミーティングや対面でのコミュニケーションによりナレッジを共有できましたが、リモートワークではそうはいきません。チャットやビデオ会議などのツールを導入しても時間経過によって履歴が流れてしまい、ナレッジの蓄積には不向きです。企業独自の強みとしてナレッジを蓄積していくには専用のツールが必要になります。
3.リモートワーク導入に必要なツール
リモートワークの導入にあたって、3つの失敗理由を取り上げました。これらの失敗はどれも準備不足によるものです。リモートワークには専用のツールを導入し、ルールを整備する準備が不可欠です。
3-1.コミュニケーションツール
コミュニケーションツールとしては、従来のメールや電話のほかにチャットとビデオ会議ツールが必要です。メールや電話だけだと気軽にコミュニケーションが取れないため、チャットで代用します。また、普段の会話も言葉だけでなく、表情や仕草も含めて情報を読み取っています。切迫した状況やより深く情報共有したい時にはビデオ会議ツールを使いましょう。
<チャットワーク>
チャットワークは17万社を超える導入実績を持つ国産のチャットツールです。1対1でのチャットはもちろん、複数のメンバーで共有できるグループチャット機能が搭載されています。やりとりの多いファイルも共有可能です。
<appear.in>
appear.inはリンクを共有するだけですぐに利用できるビデオ会議ツールです。一般的なビデオ会議ツールでは事前にIDのやりとりやアプリのインストールが必要でした。しかし、appear.inではサイトにアクセスし、任意の文字列を入力してリンクを作るだけでビデオ会議ができる画期的なツールです。
3-2.プロジェクト管理ツール
顔が見えない社員の作業内容を把握するには工数を管理するプロジェクト管理ツールが必要です。工数や実績の入力はもちろん、スケジュールや進捗を可視化できるガントチャート機能が搭載されたクラウド型のサービスがオススメです。
<クラウドログ>
クラウドログは使いやすさにこだわったクラウド型のプロジェクト管理ツールです。UIが洗練されており、簡単に工数を管理することが可能です。プロジェクトに欠かせないガントチャートや売上・原価管理機能も搭載されています。さらに工数原価や損益も可視化できるレポート機能もプロジェクトの状況を瞬時に把握する際に効果を発揮します。月々5,000円から使い始めることができ、一人当たり1,000円以下で運用できるのも魅力の一つです。
<Backlog>
Backlogはチームのコラボレーションを促進するプロジェクト管理ツールです。工数管理に必要なガントチャートやタスク管理機能はもちろん、円滑なコミュニケーションに役立つ機能が特徴です。300種類以上のキャラクターアイコンやいいね機能が搭載されており、コミュニケーションに楽しさを与える機能が魅力の一つです。
3-3.ナレッジ共有ツール
従来のように社内で蓄積していたナレッジをリモートワークでも実現するためにはナレッジ共有ツールを導入しましょう。オススメのツールはファイル共有や掲示板、予定を確認できる機能が一体となったグループウェアです。
<G Suite>
G SuiteはGoogleが提供するサービスでGmailやファイル共有、カレンダーといった豊富な機能が搭載されています。普段からGoogleのサービスを利用している方も多いのではないでしょうか。ビジネスに特化したG Suiteでは十分なストレージを備えており、ファイル共有やドキュメントやスプレッドシート、スライドに対応しています。
<サイボウズOffice>
サイボウズOfficeはさまざまなグループウェアを手がけ、トップシェアを持つサイボウズが提供するサービスです。ファイル管理や掲示板はもちろん、承認・決済に役立つワークフロー機能も搭載されています。国産のメーカーだけに日本人特有のワークスタイルに合わせたさまざまな機能を利用できるのが特徴です。
まとめ
リモートワークの導入にはツールが必要不可欠です。多様な働き方ができるというメリットばかりが脚光を浴びますが、リモートワークのデメリットへの対策を講じなければ失敗に終わってしまいます。コミュニケーションや工数管理、ナレッジ共有のツールを準備し、働く上でのルールを必ず整備しましょう。事前準備こそがリモートワーク成功の秘訣です。