プロジェクトマネージャーの将来性を考察

プロジェクトマネージャーは、プロジェクトを管理する役割を持ち、IT業界に限らず需要が高い職種です。プロジェクトが無くならない限り、プロジェクトマネージャーは求められ続けるため、将来性が高い職種と言えるでしょう

この記事では、その根拠と合わせて今後のプロジェクトマネージャー像やキャリアパス、業務内容求められるスキル、年収などについて解説します。 

1.プロジェクトマネージャーの業務内容や役割

プロジェクトマネージャーは、プロジェクトの総責任者です。システム開発などのプロジェクトを成功に導くためのマネジメント(管理)を役割としています。

プロジェクトの立ち上げから完了までのQCD管理が主な業務となりますQCD管理とは、Quality(品質)、Cost(予算)、Delivery(スケジュールや納期)管理のことを表し、QCDを達成することがプロジェクトマネージャーの使命です 

 

2.プロジェクトマネージャーの将来性

ここでは、プロジェクトマネージャーの将来性について解説します。 

プロジェクトマネージャーの需要は堅調 

IT人材白書2019によれば、IT企業が重要と考え、育成していきたい人材として、プロジェクトマネージャーが上位に位置していますそのため、プロジェクトマネージャーの需要は今後も続くと考えられるでしょう。 

※参考:IT人材白書2019(IPA)

クラウドに関する知識を習得することで将来性をアップできる 

プロジェクトマネージャーは、エンジニアほど専門的な技術スキルは求められません。しかし、技術スキルが不足していると、適切なプロジェクト管理ができなくなります。今後、プロジェクトマネージャーが身につけるべきスキルの一つとして、クラウド技術が挙げられます。 

ITインフラ環境は、オンプレミスからクラウドへ移行している段階です。MM総研の調べでは、2018年度の国内クラウドサービス市場規模は1.9兆円にまで成長したと発表しています。その後、2023年度までに4兆円を超える市場になることが予想されており、ITインフラ環境はクラウド上で展開することが今後の主流となるでしょう 

そのため、プロジェクトマネージャーとしても、クラウド技術に関する知見を持つことで、需要を高めることができるでしょう。 

参考:2019年国内クラウドサービス需要動向調査(MM総研) 

 

AI人材の中でもプロジェクトマネージャーは不足している 

近年、AI技術の進歩に伴いAI人材の需要も高まっています。AI人材「AI(人工知能)に関する業務を遂行する人材」のことを指し、AI開発案件を率いるプロジェクトマネージャーにはAI技術に関する知識も求められるでしょう。よって、AI技術に関する知識を身につけることでも将来性を担保することができます。 

 

 

プロジェクトマネージャーのキャリアパス 

このように、どのようなビジネスであってもIT活用が不可欠となった時代では、プロジェクトマネージャーの重要性が年々高まっています。一見するとプロジェクトマネージャーになってしまえば安泰のように見えますが、実はそうではありません 

クラウドやIoTAI、データサイエンスなど需要が高まっている開発領域と、オンプレミス型の開発のように今後需要が減っていく開発領域があります。 

プロジェクトマネージャーとして将来性を担保するには、今後需要が高まる領域の知識やスキルを身につけていく必要があります。なぜなら、これらがなければプロジェクトチームとの円滑なコミュニケーションが取れないばかりか、問題が発生した時に適切な判断ができないからです。

よって、最新の技術知識・スキルを習得していくことがプロジェクトマネージャーのキャリアを築く鍵となるでしょう。 

 

3.プロジェクトマネージャーに求められる知識・スキル

プロジェクトマネージャーには、さまざまな知識とスキルが求められます。ここでは、簡単にプロジェクトマネージャーに必要なスキルを解説します。 

プロジェクトマネジメントスキル 

プロジェクトマネージャーに求められる最も重要なスキルです。予算管理やリソース管理、リスク管理、進捗管理など、プロジェクトマネージャーが管理すべき項目は多数あります。プロジェクトマネージャー試験やPMP試験などの資格制度を活用してスキルを習得すると良いでしょう。 

 

テクニカルスキル 

エンジニアほど専門的な知識を必要とはしませんが、開発案件で採用する技術領域に関する知識や動向が求められます。また、システム開発手法やテスト技法、品質管理技法などに関する知識も必要となるでしょう。近年では、AIやIoT、セキュリティ、クラウドに関する知識が重要になってきています 

 

コミュニケーションスキル 

プロジェクトマネージャーは、クライアントとの折衝や、プロジェクトメンバーの取りまとめなどを担うため高いコミュニケーションスキルが求められます特に、大きな障害などの問題が発生してしまった時は、チーム内がギクシャクしてしまいがちです。また、クライアントと難しい調整(納期やリリース対象の変更など)が発生するでしょう。
このような時に、ゴールに向かって一丸となれるようクライアント、チームをまとめるには高いコミュニケーションスキルが必要となるのです。プロジェクトマネージャーを対象としたコミュニケーション研修などを活用してスキルを身につけると良いでしょう。
 

 

4.プロジェクトマネージャーの年収

最後にプロジェクトマネージャーの平均年収を紹介します。 

経済産業省のデータによると、プロジェクトマネージャーの平均年収は891.5万円であり、IT系職種ではコンサルタントに次いで高い年収水準にあります。 

プロジェクトマネージャーは多くの場合、PG(プログラマー)→SE(システムエンジニア)→TL(チームリーダー)→PM(プロジェクトマネージャー)という流れでキャリアアップして目指す職種です。 

年収が高い背景には、人材が不足していること(需要が高い)、求められるスキルが広範囲かつ高レベルであること、プロジェクトマネージャーの平均年齢が高い(40歳程度)ことなどが考えられます。よって、プロジェクトマネージャーを目指すには中長期的なキャリア設計が非常に大切なのです。 

参考:IT関連産業の給与等に関する実態調査結果(経済産業省) 

 

5.まとめ

この記事では、プロジェクトマネージャーの仕事内容や将来性、プロジェクトマネージャーに求められるスキル、年収について解説しました。

プロジェクトマネージャーの将来性は明るいと言えますが、それは需要が高まっている技術領域の知識・スキルを身につけていることが前提となります
プロジェクトマネージャーであっても、他のエンジニア職と同じように日々知識とスキルをアップデートしつづけることが求められるでしょう。資格や研修
、書籍などを活用してアップデートしてみて下さい。 

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