政府の働き方改革や、2019年に発生した新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大防止策の一環として、日本でも急速にテレワークが普及しました。
しかし、従来から行われている対面での業務に比べ、複数人が関わるプロジェクトをテレワークで管理するには独特の課題があります。
そこでこの記事では、テレワークという新しい働き方を通してプロジェクトを適切に管理し、確実な成果を実現するためのポイントを紹介します。
目次
テレワークとは
テレワークとは、インターネットなどITの仕組みを利用し、オフィス以外の場所から業務を行うことを指します。働き方改革の一環として推奨されている背景もあり、今後テレワーク導入の流れは更に勢いを増していくと考えられます。
テレワークの概要や導入については別の記事でも詳しく紹介していますので、ぜひご覧ください。
■ 働き方改革のカギ!テレワークとは何か
https://www.crowdlog.jp/blog/2019/07/23/115277/
■ テレワークの環境・制度を整備し、トライアルから始めてみよう
https://www.crowdlog.jp/blog/telework/
テレワーク環境でのプロジェクト管理を成功させるには – ツール編 –
テレワーク環境下でのプロジェクト管理をスムーズに行うためには、ツールの有効活用が成功の鍵となります。ここでは、テレワークにおけるプロジェクト管理を成功に導くツールを紹介します。
タスク管理ツール、スケジュール管理ツールとは
プロジェクト管理を支援するツールとして代表的なものに、タスク管理ツールとスケジュール管理ツールがあります。
タスク管理ツール
自分に課せられているタスクと期限、実施状況を管理するツール
スケジュール管理ツール
プロジェクトメンバー全員のタスクを可視化するとともに、スケジュールや進捗状況を管理するツール
ツールによっては、タスク管理機能やスケジュール管理機能だけでなく、工数管理機能やプロジェクトのパフォーマンスを可視化するレポート機能、勤怠管理機能など、プロジェクト管理を効率化する機能を多数搭載した製品もあります。このようなツールを活用することで、プロジェクトの成功確率を高めることができるでしょう。
代表的なタスク管理ツール/スケジュール管理ツール
タスク管理およびスケジュール管理を支援するツールとして代表的なものを紹介します。
- Backlog
チームメンバーの全員でスケジュールやタスクリストを共有することができます。バグ管理やソース管理など、システム開発で高い評価を得ています。 - Redmine
プロジェクトの進捗やタスクの管理ができるオープンソフトウェアです。自社サーバにインストールして使用する他、クラウドサービスの利用も可能です。 - クラウドログ
クラウド型でありながら、タスク管理機能やスケジュール管理機能、工数管理機能、レポート機能、勤怠管理機能など、プロジェクト管理を強力に支援する機能を多数搭載したツールです。 - Trello
プロジェクトのタスクやスケジュールを、付箋を貼るようなUIで直感的に管理することができます。 - Asana
タスクをタイムライン上にマッピングする、ボードカテゴライズして貼り付けるなど、タスクやスケジュールをわかりやすく見える化できる点が魅力です。
コミュニケーションツールとは
テレワークにおいて、メンバーのスムーズなコミュニケーションを実現することは大変重要です。やり取りのすべてをメールで行う場合、膨大な数のメールが送受信され、管理が困難となります。このような事態を避けるには、次に紹介するようなコミュニケーションツール(チャットツール)の活用が有効です。
代表的なコミュニケーションツール
- Slack
プロジェクト毎のチャンネルを作成し、情報を管理することが可能です。プロジェクト毎にチャットの優先度を設定することもできます。 - MS Teams
Microsoft社が世界中で展開しているチャットツールです。国内外からの信頼度も高く、国外のクライアントやスタッフを含めての利用にも適しています。 - Chatwork
国内で高い評価を得ているチャットツールで、シンプルな機能と操作性が特徴のツールです。
テレワーク環境でのプロジェクト管理を成功させるには – 運用編 –
テレワークでのプロジェクト管理を成功に導くには、メンバー個人の業務の進め方やチーム全体のルーチンワーク設定など、運用面でもおさえておくべきポイントがあります。
ここでは、テレワークを成功に導くための運用面におけるノウハウを紹介します。
業務開始・終了の連絡をする
テレワークの特徴として、企業にもよりますが業務時間の自由度が高いという点があります。本来、集中できる時間帯は個人差があるため、ある人は早朝から昼過ぎまで、またある人は夜間帯中心と、勤務時間が一致しないことがあります。
テレワークでは個人の状況に合わせて最善な働き方ができるという面がある一方で、プロジェクトベースで見ると誰が稼働中なのかわかりづらいという側面もあります。
対応策として、業務開始・業務終了時には全体に対し連絡する、というルールが有効です。あるいはメンバー全員が参照できるツール上に、現在稼働中のメンバー名を表示しておくという方法も良いでしょう。可能であれば翌日以降の稼働予定を共有することで、相手のレスポンスを期待できる時間帯が予測でき、スムーズなコミュニケーションが可能となります。
日報を作成する
各々が働く場所が異なるテレワークでは、個々人の1日の業務量や進捗の管理が見えづらくなりがちです。しかし、そのような状況にあっても、プロジェクトの管理者は業務全体を把握し、プロジェクト全体の進捗やスケジュールを管理する必要があります。
メンバー全員の進捗や業務を把握するため、日報を用いてすべてのメンバーがその日行った業務の内容と進捗を報告させるという方法があります。1日単位・個人単位での業務を確認することで、全体の進捗をリアルタイムに把握可能であることに加え、メンバー個人の業務スピードを把握し、必要なサポートを提供する材料にもなります。
また、日報は日々の業務の記録でもあるため、必要時には後から参照することも可能です。
定期的なオンラインミーティングを行う
テレワークを活用することで、場所的・時間的な制約なく自由度の高い勤務が可能になります。
しかし、コミュニケーションがメールやチャットなど文字ベースになるため、表現によっては誤解が生じたり、連携が難しくなったりという事態も予測されます。このような事態を防ぐためには、定期的なオンラインミーティングの開催をお勧めします。
プロジェクトによって適当な頻度は異なりますが、定期的に全メンバーが同じ時間に一堂に会すことで、コミュニケーションの質が上がり、連帯感の強化につながります。
まとめ
この記事では、テレワークにおけるプロジェクト管理を成功に導く勘所を紹介しました。
テレワークでは、デジタル技術を活用し、場所的制約を受けずに業務を行うことができます。このような働き方においては、従来のように同じ場所・同じ時間での業務とは異なる、新しいスタイルでのプロジェクト管理が必要です。
既存の情報や今後蓄積されていくノウハウを活用し、自社に最も適した形でのテレワークのルール、プロジェクト管理のスタイルを確立していくことが、企業が成長を続けていくための急務であると言えるでしょう。