重要であると感じつつも、なかなか実践できないのが会議の効率化ではないでしょうか。会議は参加者数×時間で工数が必要となるため、会議の無駄を効率化することは生産性の改善に大きく役立ちますが、一方で削減すべきではない会議も存在し、一概に無駄とは言えないものでもあります。
会議を効率化するためのポイントは、会議の種別ごとに異なります。この記事では、会議を分類してそれぞれの種別ごとに効率化する方法を紹介します。
目次
1. 会議の分類
会議の効率化を行うにあたっては、会議をその目的や位置づけに応じて分類し、それぞれの性質を理解することが重要です。例えば進捗報告を行うような会議であれば、必要に応じて書面開催などの簡略化ができますが、チーム内の個人面談などコミュニケーションの一環として実施すべき会議もあります。
会議は以下のように分類することができます。会議の特徴ごとに、効率化方法を検討するとよいでしょう。
- 情報共有型:情報を共有し意識合わせを行うことを目的とする会議(例:定例進捗報告)
- 意思決定型:経営方針やシステムの仕様など、関係者で合意をしたうえで、意思決定を行うための会議(例:経営会議)
- アイディア出し型:関係者で会話をしながら新しいアイディアを生み出すための会議(例:企画会議)
- コミュニケーション型:仕事を円滑に進めるために、関係性を作り上げるための会議(例:上司・部下の1on1面談)
2. 「情報共有型」会議の効率化方法
情報共有型の会議は情報を共有することが目的であり、会議上で新たな決定は行いません。会議の中では、比較的効率化しやすい種類のものといえます。
情報共有型の会議を効率化する際には、共有する情報の重要性に応じて代替案を検討することがポイントとなります。メールなどで資料を共有すれば十分な内容は、会議のアジェンダから削除することが有効な効率化策となるでしょう。また、全体的に重要度が低い内容であれば、会議自体の省略も検討することができます。
さらに、情報共有ツールの活用も有効な効率化手段となります。メールなどで資料を共有した場合、ほかのメールに埋もれてしまって閲覧されず、必要な情報が共有されないリスクがあります。そこで、閲覧性に優れる情報共有ツールを利用することで、閲覧される可能性も高まり、また配布先で資料が閲覧されたかを確認するような使い方もできます。
3. 「意思決定型」会議の効率化方法
意思決定型の会議は、会議にて参加者の合意をとり、意思決定を行うことが目的となります。比較的効率化しにくいものの、改善の余地はある種類の会議といえるでしょう。
意思決定会議の最終的なゴールは合意と意思決定という明確なものであり、会議はアジェンダに沿って実施されるため、ビデオ会議でも実施しやすい会議といえます。ビデオ会議を活用することで、会議室の確保や会議参加者の日程調整などの手間を減らすことができますので、実施可否を検討するとよいでしょう。
また、会議の前にキーマンに根回しを行ったり、資料等を事前配布したりすることで、会議前に大まかな合意形成を行っておくこともポイントとなります。意思決定型の会議では、「できるだけ議論を発散させない」ことが大切です。結論までの大まかな道筋を事前につけておくことで、会議の時間を短縮できるでしょう。
4. 「アイディアだし型」会議の効率化方法
アイディアだし型の会議は、会議にて新たな着想や方針を生む出すことが目的となります。会議の開始時点で明確にゴールがあるわけではなく、参加者の自由で多様な意見が有効となるため、安易に効率化すべきではない会議といえます。
アイディア出し型の会議は、参加者が自由に発言するという特性上、比較的ビデオ会議で実施しにくい会議といえます。ビデオ会議は便利な手段ではありますが、どうしても会話にタイムラグが生じやすく、また参加者が増えれば増えるほど発言がしにくいという特性もあるため、自由な会話を円滑に行うには不向きです。
アイディア出し型の会議を実施する際には、可能であれば会議室などを確保し、集中して実施できる環境を整えるとよいでしょう。その際には、時間を区切って適宜休憩を行ったり、会議室の環境を整えたりするなど、より効率的にアイディアを生み出せる方法を検討することをおすすめします。
5.「コミュニケーション型」会議の効率化方法
コミュニケーション型の会議は、参加者同士が対話して関係性を深めたり、隠れた課題が存在しないかを把握したりすることが目的となります。安易に効率化すべきではない会議ですが、一方で過剰に実施しても成果は少ない会議といえるでしょう。
コミュニケーション型の会議はビデオ会議でも実施可能ですが、対面で実施したほうがより良い会議といえます。特に、キックオフ会議などのように事前の関係性が薄い場合は、お互いの顔を知っているという心理的な効果を得るためにも、少なくとも一度は対面で実施することをおすすめします。
コミュニケーション型の会議は、プロジェクト開始などのマイルストーン時や、月次など一定の期間ごとに実施することが望ましい会議といえます。上司と部下の面談などを定期的に実施する場合は、必要性を考慮したうえであらかじめ実施頻度を決めておくとよいでしょう。
6. 会議の生産性改善のためには実績把握が有効
会議の効率化のためには、まず会議を種別ごとに分類し、それぞれの会議にどれくらいの時間がかかっているかを把握することが大切です。しかし、会議を実施するたびにExcelなどに会議名や会議の実施時間を記録していくのは面倒な取り組みとなるでしょう。
そこで活用したいのが工数管理ツールです。当社の工数管理ツール「クラウドログ」では、GoogleカレンダーやOutlookの予定表と連携して、会議に費やしている時間を簡単に記録することができます。さらに、メンバー別や会議種別などで会議の実施時間を集計し、グラフを用いてレポート化することで、無駄な会議がどこにあるのかを可視化することが可能です。会議実績を可視化した結果、例えば情報共有型の会議を多数実施しているようであれば、そのうち省略できるものがないかを検討することができるでしょう。
会議の生産性改善に悩まれている方は、まず会議の開催実績を把握できるツールを導入することをおすすめします。
まとめ
この記事では、会議の効率化というテーマで、会議の種別ごとの効率化方法について解説を行いました。会議の効率化は効果が高い取り組みではありますが、どの会議を簡略化すべきか整理したうえで関係者と調整・合意する必要があり、難しい取り組みでもあります。会議実績を集計し、会議に費やしている総時間を数値化することで、会議の効率化の必要性について合意を得るための材料にもなるため、まずは実態について把握することが効率化に向けたファーストステップとなるでしょう。