売上管理とは?目的とポイント、IT企業の特性を知り利益率の向上に繋げよう

 

売上管理は、現状分析や今後の見込みの把握、中長期計画を立てるために欠かせない業務です。事務的作業というイメージがありますが、売上管理を正しく行っていくことでチームや部署、会社の生産性や課題まで発見できる重要な仕事と言えます。
ここでは売上管理の目的や、作成時のポイント、更に、より正確な売上管理や利益率の向上を目指すため、IT企業での売上管理で認識しておくべき特性や管理のポイントを解説します。

売上管理とは?

売上管理とは、名前の通り売上を管理することですが、具体的には社内の各案件やプロジェクトの売上高を月次・四半期・年間単位で集計し、全社の売上に関わる情報を管理していくことを言います。
売上管理を行うことで、企業運営の課題や問題点が数字として現れてくるため、それらを認識し改善を図ることでビジネスの成長を促します。

売上管理の4つの目的

一般的に、売上管理の目的としては下記があります。

目的1:現状の分析

経営がうまくいっているのか、このまま進めて問題ないのか、課題や問題点を知るには現状を知る必要があります。今期の売上計画がどの程度達成できているかも明らかになり、達成していない場合は要因を探り、早めに対策を打つことができます。

目的2:今後の見込みの把握

売上管理をすることで現在の状況が把握できるため、今後どのような数字になるかを予測しやすくなります。例えば売上が計画より低い場合、計画していた案件の失注や赤字プロジェクトの発生など、今後の見込みを知る情報を得ることができます。

目的3:中長期計画のベースにする

売上管理を毎年行っていると、市場の動向やどのような需要があったのかを把握しやすくなります。これらの情報を鑑み、営業先のターゲットを絞ったり、広げたり、需要のある分野のスキルを持つエンジニアを増やすなど中長期計画に反映することができます。

目的4:更なる利益の追求に活用する

売上管理によって各案件やプロジェクトの利益率を算出することで、なぜ高い利益率が得られたのか、または、なぜ低い利益率だったのかを探る糸口にします。うまくいった点、うまくいっていない点を把握し、利益率を上げるために何をすべきかを検討し業務改善を行います。

売上管理で見るべき5つの数字とは?

売上管理ではどのような数字、項目を管理していくのでしょうか。管理すべき5つの数字について解説します。

売上高

いつ、どの企業から、どのような発注で、いくらの売上があったのかを管理します。
IT業界ではプロジェクトのスケジュールが延びることも多くあるため、目標との剥離やズレなどもわかるように管理します。

目標の達成状況

年度の売上計画、四半期、月ごとの目標に対する達成度を管理します。達成状況に対し原因の把握や対策を立てることができますが、目標との差が大きい場合は売上目標が高すぎる可能性もあります。その場合は原因を見極めた上で見直しの実施や、翌年度以降のデータとして活用します。

予算の消化状況

予算項目も売上管理として管理します。売上をあげる一方で、多くの予算を消化していては意味がありません。予算の管理も行うことで、割り当てている予算が妥当かどうかも判断ができるため原価や経費など全ての予算項目を管理対象にします。

前月比・前年比

前月比と前年比もわかるように管理していきます。現状と比較することで、実施してきた改善策の妥当性や売上目標の妥当性を確認することができます。

原価

粗利を把握するために原価も管理します。売上原価は、仕入れや製造に要した費用をいいますが、IT業界の場合、仕入れなどはそれほど発生することはないですが、製造にかかる「人件費」や「外注費」を原価として捉えることができます。

売上管理作成の4つのポイント

次に、売上管理を作成する際のポイントを解説していきます。

ポイント1:ツールを選定する

売上管理自体の生産性を考慮し、全社で統一したルール、フォーマットで管理できるようにすべきでしょう。エクセルなどのツールや、システムの導入も検討します。

ポイント2:雛形作成により効率化を行う

ツール選定とともに、自社にあった雛形を作成し、効率的な入力や分析が行えるようにします。

ポイント3:入力ルールを設ける

雛形が統一されていても、各々の認識で入力していては正確な管理を行うことができません。数値の入力ルールや管理項目に含む対象が何か、計算方法などルールを設けて管理を行いましょう。

ポイント4:データの管理だけで終わらせない

数値を入力し、原価や利益率、目標達成度を知るだけではビジネスの進展に寄与することは難しいでしょう。データを分析し、問題や課題に対して対策の検討や具体的なアクションをしていくことが重要です。

IT企業の原価特性から、利益を上げるための改善ポイントを探る

売上管理を行う上で重要となるのが原価の管理ですが、IT業界は物品を売買する企業とは少し異なる特性があるため下記を認識したうえで売上管理を行いましょう。

IT企業の原価特性

IT企業での原価は、案件、プロジェクトの開始から終了までにかかったコストを意味します。IT企業の中にも多種多様の業態がありますが、IT業界全般の特性として人件費の割合が原価の多くを占めることにあります。
人件費、外注費、経費が原価の殆どであるため、この3つの原価に注目して改善を行うことが利益率向上に繋がると言えます。

原価の分析から改善ポイントを探る

人件費

一部に過剰な負荷や、ばらつきが発生していないかという点に着目し、発生している場合は原因を探り改善の対象とします。

外注費

例えば、社内リソースに余裕がある状況で外注し続けていることはないでしょうか。従業員が実施できるスキルやリソースがないかどうか、また、外注費の品質や費用が適正かも確認します。

経費

PCやサーバ、ソフトウェア、ライセンスなど適切な量が管理できているでしょうか。従業員が辞めたにも関わらずライセンスを持ち続けていたり、人数によってライセンス料が変わるようなサービスの利用人数に余剰が発生していたりがないかなど、細かく確認します。

クラウドログで売上管理に必要なデータの蓄積と分析を行う

売上管理には全ての予算や原価の把握が必要であり、そのためにはプロジェクトの原価管理を正確に行うことが重要です。クラウドログは、予算の入力や予実の管理・分析まで行うことができるサービスです。簡単で効率的な入力ができ正確な管理が行えるため、売上管理の基となる数値を算出するツールとして最適です。

まとめ

事業発展を進めるためには、売上管理を正確に行うことで現状を知り、問題点の把握や改善を行うサイクルを継続していくことが重要です。日々行っていく作業のため、ツールなども上手に利用しながら効率的な売上管理を行っていきましょう。

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