グループウェアとは?6つの導入メリットと機能をわかりやすく解説

グループウェアは企業の大小や業種に関わらず、多くの企業で利用されています。グループウェアを導入することでIT化が進むことはもちろんですが、その他にも多くのメリットがあります。ここでは、グループウェアの導入や乗り換えを検討している方向けに、グループウェアの基礎知識や選定のポイント、導入事例を解説します。

グループウェアとは

グループウェアとは、勤怠管理や社内の情報共有、データの共有、コミュニケーションの促進など、業務を効率的に進めるためのソフトウェアです。
オープンソースや無料のものもありますが、企業で導入する場合には有料のものを選択することが殆どです。有名なグループウェアとしては、MicrosoftのOffice365やGoogleのGoogle Workspaceがあります。

グループウェアのサービス導入形態

グループウェアには2つのサービス導入形態があります。それぞれについて解説していきます。

サービスの導入形態

  • オンプレミス
    オンプレミスの場合、自社のサーバにグループウェアをインストールして利用します。
  • クラウド
    クラウドの場合、ベンダーが提供するインターネット上のサービスを利用します。

オンプレミスとクラウドのメリット・デメリット

オンプレミスとクラウド、それぞれにメリット・デメリットがあります。導入と運用の面からクラウドを利用する企業が殆どですが、自社の環境や要求に合わせて選択する必要があります。

メリット デメリット
オンプレミス ・自社内のネットワークにあるためセキュリティを自社の基準に合わせることができる。
・カスタマイズが行いやすい。
・サーバ環境の準備や、運用や保守管理を自社で行う必要がある。
クラウド ・導入が簡単でコストを抑えやすい。
・場所やデバイスを問わず使用できる。
・カスタマイズには制限がある。

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グループウェア導入|6つのメリット

グループウェアの導入にはコストもかかりますが、導入の目的が合えば費用対効果を十分に得られる多くのメリットがあります。

メリット1.リアルタイムの情報共有による業務効率化

グループウェアには物品の管理や、会議室予約のような管理を行うことができます。自席で現在の状況を確認できるため、足を運ぶ必要がありません。予約やキャンセルも簡単に行え、業務上の小さなストレスを減らしながら業務の効率化を実現することができます。

メリット2.個人の状態の見える化

勤怠(出勤/退勤)の状況に加え、カレンダーへの予定の登録で個人の業務状態が見える化されます。自席にいながらチームメンバーや他部署のメンバーの状態を知ることができます。管理者の視点では、遅刻や残業の状態もひと目でわかるため、業務の管理にも役立ちます。

メリット3.ペーパーレス化

グループウェアには、勤怠管理や文書管理、経費精算などの申請処理もデジタルで行うことができます。今まで紙で行っていた業務をグループウェア上で行うことで、印刷する必要がなく、ペーパーレス化を実現できます。

メリット4.社内コミュニケーションの円滑化

掲示板やチャットの機能など、グループウェアにはコミュニケーションを行いやすい機能があります。申請内容や日報にコメントをして返したり、チャットで知らせたりなどコミュニケーションの円滑化と効率化を図ることができます。

メリット5.テレワーク環境への対応

グループウェアは、場所やデバイスを問わず利用できるものが多く、テレワーク環境での利用にも適しています。外出先からスマートフォンでアクセスしたり、出張先からアクセスしたりするなど場所に関係なく利用ができることは大きなメリットです。

メリット6.申請業務のスピードアップ、所在の明確化

グループウェアにはワークフローを設定できるものが多く、経費精算や出張申請などのような申請業務もグループウェアで行うことができます。紙で申請している場合に比べ、即座に担当者に申請が届くため申請業務のスピードアップが期待できます。また、申請中のものを誰が持っているのか、承認されたのかどうかなどの状態もわかり、所在と状態も明確化されます。

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グループウェアでできること

ここでは、グループウェアで提供される基本的な機能を紹介します。

スケジュール管理

各自のスケジュールやプロジェクトなどのスケジュールを登録することができます。グループウェアによってはGoogleカレンダーと連携しているものも多く、より簡単にスケジュールの登録が可能になっています。

勤怠管理

出勤、退勤や休日取得の申請を管理する勤怠管理機能があります。デジタルのため集計も自動で行われます。登録した勤怠情報は社内の誰でも閲覧ができるため、他部署や支店など、離れている場所のメンバーの状況も確認することができます。

プロジェクト管理

グループウェアによってはプロジェクト管理ができるものもあります。どの企業も何かしら案件やプロジェクトで仕事を進めていることが殆どです。ブロジェクトのスケジュールや予算、工数なども付けられると、稼働の見える化により管理もしやすくなります。プロジェクト管理ツールを別途導入するとコストがかかりますが、グループウェアに付属しているものの場合はコストも一本化でき、ツールの統一もできるなど利便性が高まります。

設備予約

多くの会社では、打合せのため会議室やミーティングスペースの取り合いになることがしばしば発生します。グループウェアは設備予約機能があり、会議室を予め予約したり、今会議室が空いているのかを自席で確認したりすることができます。会議室に限らず、皆で使用するような備品もグループウェアに登録することができるため、所在も明らかになり管理がシステマチックに行えます。

タスク管理

個人のToDoをタスクとして登録することができます。グループウェアによってはタスクを他の誰かに割り当てたり、期日を設けたりすることができます。誰が何をしているのか、どのようなタスクを持っているのかも明らかになり、従業員の状態がわかりやすくなります。

ファイル共有

グループウェアにはファイルストレージが用意されています。自身のPCのフォルダのように、新規フォルダの作成や削除が行えます。多くの場合、部署ごとにフォルダを分け、さらにプロジェクトや用途ごとのフォルダを作るなどで運用されることが多いです。検索機能もあるため、社内にあるドキュメントを簡単に見つけることができます。

掲示板・回覧板

多くのグループウェアでは、ログイン直後の画面や目に入りやすいところに掲示板の情報が表示されるようになっています。管理部からのお知らせなど、従業員に知らせたい情報を簡単に通知することができます。メールでも全員向けに情報を発信できますが、グループウェアの掲示板は、利用側も用途を理解しているため、確認されやすいという点があります。回覧板は、閲覧有無などを確認でき、情報も残るため伝達事項を確実に伝える手段として活用できます。

チャット、電子会議室

軽く確認したいことやコミュニケーションしたい場合にチャットは有用です。チャットに特化したツールもありますが、グループウェアで完結させたい場合や今までチャットツールを利用していない場合は、まずグループウェア内のチャットを使ってみると良いでしょう。電子会議室は、特定の議題を立てて、意見や情報の交換をすることができます。履歴なども残るため、社内の改善業務や社内勉強会など様々な用途で活用しやすい機能です。

ワークフロー

上司→本部長→管理部担当者→管理部部長、というような流れで承認するような処理をワークフローの設定で実現することができます。書類を持ってまわる必要がなく、また、誰がボールを持っているのかが明らかになります。申請手続きに留まらず、入社処理や退社処理のように、複数部署の担当者が作業しなければいけないタスクもワークフローでスムーズに処理を確実に進めることが可能です。

申請手続き

ワークフローを利用することにより、押印の処理や紙の印刷、書類の移動なく申請手続きをペーパーレスで効率的に実現することができます。

日報

業務日報もグループウェアの基本的な機能のひとつです。社内の従業員はもちろん、外出先からやリモートワークなど場所を問わず日報を作成できるため、管理者にとっても従業員にとっても有用な機能です。メールとは異なり、情報が一元管理できることや、権限を持つ人が誰でも参照できることもグループウェアの日報の特徴です。

安否確認

昨今は気候変動による災害などが以前より多く発生するようになりました。そのため、安否確認の機能を搭載しているグループウェアも増えています。緊急時や災害発生時、地域や部署などごとに安否確認のメールを配信します。従業員は自身の手元にあるデバイスで状況や緊急連絡先、所在などを報告することができます。オプション機能として提供されている場合もありますが、万が一の備えになります。

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グループウェア選定のポイント7選

グループウェアをこれから導入しようと検討している場合や、現在使用中のものから乗り換えを検討している場合、どのようにグループウェアを選択すべきでしょうか。ここではグループウェアを選定する際にチェックすべきポイントを解説します。

ポイント1.機能の確認と機能の過不足

グループウェアは、前項で解説したような基本機能を備えているものが殆どですが、さらに便利な機能が提供されているものも多くあります。使わない機能が多い場合、費用対効果が薄くなる可能性があります。自社が解決したい課題に適したグループウェアを選択することが重要です。

ポイント2.サービス形態、料金

クラウドやオンプレミスというサービス形態や、料金形態を確認しておく必要があります。初期費用の有無や月額費用、オプション料金の有無など、機能と料金を見比べたうえで判断します。

ポイント3.操作性

いくら安くても操作性が悪いと従業員が利用せず、社内にグループウェアが浸透しないという可能性もあります。説明がなくてもやりたいことが行えるようなユーザインタフェースになっているか、複雑なユーザインタフェースで混乱したり煩わしいと感じたりするよことがないかを、実際に試用して確認することが導入を成功させるひとつのポイントです。

ポイント4.スマホ対応など、サービスの提供形態

場所やデバイスを選ばす、利用しやすいことも重要です。スマートフォンアプリを提供しているグループウェアの場合、OSのバージョンによって使えない従業員が出ることもあります。また、オンプレミスで導入を考えている場合は、VPNで接続するなど自社の環境に合わせた利用シーンを想定して確認しておく必要があります。

ポイント5.無料期間の

グループウェアを導入する場合、試有無と期間用してから導入することがポイントです。多くのグループウェアは無料期間を提供しているため、テスト導入し、想定したイメージと合っているかを確認します。その際ポイントとなるのが無料で利用できる期間です。あまりに短いと試用しきれず評価が中途半端の状態で終了してしまう可能性があります。そのため、テスト導入では、関係者が繁忙期ではないタイミングで、計画的に行うこともポイントです。

ポイント6.サポート体制

グループウェアには日本製のものと海外製のものがあります。一般的には日本製のものの方が、マニュアルが日本語で整備されていることや、サポートも手厚いと言われています。ただし日本法人があるなどの場合は海外製でも同様にサポート体制があります。導入から運用、困った際に迅速なサポートが受けられるかを確認しておくことで、いざという時、導入する側の担当者の負担も軽減されます。

ポイント7.セキュリティ

自社のセキュリティ基準に準拠しているかどうかはもちろん、取引先の企業がセキュリティに厳しい場合なども考慮し、グループウェアのセキュリティをどこまで求めるのかも視野に入れて検討する必要があります。内部統制の観点で見た場合、ISOやSOCの認証があるかなどがひとつの指標として考えられます。

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グループウェアの活用事例

様々な企業でIT化が進んでいるため、グループウェアは業種に関わらず活用されています。ここでは、様々な業種でのグループウェアの活用事例を紹介します。

建設業界

課題

  • 各部署で職種の違う従業員同士で連絡を取ることや、顧客の連絡先の共有、スケジュールの調整に余計な時間がかかっており、業務を効率的に進めることが困難になっていた。

事例

  • グループウェアのスケジュール機能や文書管理を活用することにより調整にかかる手間や問い合わせる手間が少なくなった。
  • 特に便利に利用している機能として回覧板がある。回覧板は閲覧有無もわかるため、言った・言わないというトラブルも避けることができる。
  • 社内の報告・連絡・相談にも回覧板を活用することで細かな情報共有や解決までのスピードも上がっている。

飲食業界

課題

  • 複数の店舗があり、情報共有が必要ではあるものの、メールや電話でのやりとりが中心だったため店舗担当者に負担がかかっていた。
  • 業務フローやノウハウなどを蓄積する場所がないことも課題に感じていた。

事例

  • 回覧板の機能を使用して、売上速報を集約し即座に分析、翌日の営業に活かすようになっている。
  • スケジュールを各店舗で登録することで、店舗同士で情報が共有できるようになり、会社としての一体感が出ている。
  • ワークフローの機能を使い、社内規定に合わせた業務フローを確立できた。

学校・教育機関

課題

  • 情報共有は主にメールで行っていたが、Webメールは不正ログインや外部からの攻撃など他校から多くの被害事例が上がっており、安全に情報共有を行うということが急務となっていた。

事例

  • グループウェアのWebメールがセキュリティ要件も満たし、かつスケジュールや設備予約などの機能連携で便利に利用できるため利用促進材料のひとつになっている。
  • ポータル画面のカスタマイズがしやすく、学内ポータルとして利用できている。
  • 文書管理機能で、会議資料や学内の資料を共有できるため、ペーパーレス化によるコストダウンにも繋がっている。

組合・団体

課題

  • 公用車などの使用状況や直前のキャンセルなどを管理しきれておらず、十分な活用ができていない。
  • 全員にITの知識やスキルがある訳ではなく、効率の良い情報共有ができていない。

事例

  • 設備予約機能の活用で、公用車、その他物品の空き状況が即座にわかり、稼働率が向上した。
  • スケジュールを活用し、企業訪問や来所管理用に別アカウントを作り、組合内全体でどのような企業の訪問があるのかや担当者などを一括で管理することができている。これにより適切な支援体制やフォローアップができるようになっている。
  • スケジュール登録とともに、タスクも登録する習慣が定着し、情報が一元管理されることで組合組織全体の動きがわかるようになった。

まとめ

ここまで、グループウェアの機能や、導入事例を解説してきました。IT化や業務効率化、生産性の向上を考えたときグループウェアは今や多くの企業にとって必須のツールと言えます。導入するまでには、比較検討や試用する時間などのパワーが必要ですが、それ以上のメリットがあります。自社の課題がグループウェアの導入で解決されるかを見極めながら選定することで、導入の成功度も高まるでしょう。

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