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独立採算制とは?メリットとデメリット、失敗しないための対策を解説

独立採算制は、トヨタやソニー、みずほ銀行、シャープなど多くの大手企業が導入しています。大手企業が独立採算制を採用するのはなぜなのでしょうか。それは独立採算制のメリットが大きいからと言えるでしょう。ただし相応するデメリットも存在するため、デメリットへの対策と克服が成功のカギだと言えます。ここでは独立採算制とは何か、メリットやデメリットに加え、デメリットへの対策ポイントを解説します。

独立採算制とは

独立採算制とは、事業部や部門を独立させ、それぞれを企業のように見立て、事業を推進することを言います。収支を独立させることはもちろん、経営に関する意思決定も各事業部や部門に委譲されます。カンパニー制やアメーバ経営とも呼ばれます。
多種の事業を展開している企業や大企業では、各部門の規模が大きくなりすぎることで意思決定のスピード感が遅くなったり責任の不明確さが発生したりすることがあります。これらの課題は事業推進に大きな影響があるため、それらを解決するために取り入れられることが多いです。

ホールディングス制(持株会社制)と独立採算制との違い

経営判断や収支が独立しているという点で、一見ホールディングス制と同じようにも見えますが、法的に扱いが異なります。
ホールディングス制は法的に別企業という扱いですが、独立採算制は法的にはあくまで一企業という扱いです。

事業部制と独立採算制との違い

事業部制は、事業に対する責任の範囲や意思決定権、人事権などがなく、あくまで取締役会など企業本体がこれら責任や決定権を持ちます。独立採算制は、それぞれの部門が一企業と同じように扱われるため、全ての権限が委譲されるという点で異なります。

独立採算制|4つのメリット

まずは独立採算制のメリットを確認していきます。

メリット1:意思決定スピードの向上

役員会や承認プロセスが減るため、意思決定のスピードが向上し、事業推進もスピードアップすることができます。承認がおりるまでの待ち時間によってビジネスチャンスを失うことを抑止し、事業を加速しやすい環境になります。

メリット2:責任の明確化

独立採算制により、企業の組織図もシンプルになります。部門ごとの収支も明らかになり、責任が明確化されます。また、部門が企業として扱われることにより、経営視点が各個人に身近になることで個人の事業に対する意識やコスト意識が高まると言われています。

メリット3:経営者目線を持った人材が育つ(後継者育成)

独立採算制では、各部門が責任を持ち会社経営と同じように独立した組織を運営する必要があります。各々の役割や責任範囲も重くなることや、仕事に対する視座が変わることにより経営者目線が育ち、人材育成・後継者育成に繋がります。

メリット4:組織力の向上

うまく独立採算制を推進できれば、部門ごとにライバル意識が生まれ良い競争が働きます。自部門を成長させるための意識と結束が生まれやすく、誰もがコスト意識や経営的視点を高いレベルで持つ、強い組織力が期待できます。

独立採算制|4つのデメリット

独立採算制には、デメリットも存在します。以下に解説していきます。

デメリット1:重複業務の発生、コスト増

各部門で完結させるということは、重複業務も発生しやすい状態になります。例えば、本来企業内に一部門で良い経理や人事などの管理部門も事業部に設置させるため、管理コストの増加に繋がります。その他、他部門で既に解決していた課題を自部門でも一から対策するような重複も発生することがあります。

デメリット2:情報共有や交流の稀薄化

独立採算制では意思決定など全ての権限が移譲されるため、他部門と情報を共有する必要性や機会が減少します。企業としてあるべき横のつながりが取られにくくなるために、情報が共有されていれば効率化できたであろう業務が発生したり、知らずに同じような開発を行ってしまったりなどが発生します。

デメリット3:全社としての連携が取られにくくなる

独立採算制がうまく働けばメリットにあるように良い競争が生まれますが、間違った方向へのライバル意識が発生してしまった場合、情報を部門内に閉じ、ノウハウの共有や共創が行われにくくなります。

デメリット4:成果至上主義

利益を第一にすることで成果至上主義に陥ることがあります。本来事業を発展させるためには新たなチャレンジや改善・改革が必要ですが、目の前の利益を保つために保守的になり、現状維持で事業を継続させてしまうことがあります。また、管理部門が事業部内に置かれることにより本部の目が届かず、粉飾決算などの不正が発生する可能性もあります。

独立採算制の導入時に検討しておくべきデメリットへの対策4選

独立採算制を導入する場合、メリットは大きいですが、その反面デメリットも事業へのインパクトが大きいため、デメリット対策は必須と言えます。

対策1:フィロソフィ(哲学)を持つ

経営理念を確立し、徹底的に浸透させることが重要です。「なんのために」という軸を正しく持つことができれば判断基準が明確になり、多くのデメリットを発生しにくい状態にできます。アメーバ経営で有名な京セラでは「京セラフィロソフィ」を軸にアメーバ経営が生まれています。フィロソフィは企業理念とは異なります。企業理念は、どのような価値観で事業推進を行い社会貢献を行うのかですが、フィロソフィは企業理念の元になる考え方や価値観、意識そのものです。仕事を進める上でフィロソフィを根底に持つことで、デメリット2、3、4にあるような事象が発生しにくくなります。

対策2:リアルタイムに情報を開示する

重複業務の発生や、連携が取りにくくなる原因は情報を開示しないことがひとつの要因です。ひとつの部門が情報を開示しないスタンスになると、他部門も影響されてしまうことがあります。そのため全部門において、情報はリアルタイムに、また、常にオープンにし共有する「場」を意識的に持つことが重要です。

対策3:評価制度の見直し

デメリットである成果至上主義に陥らないためには、数字だけを見る評価制度では解決できません。プロセスやコラボレーションといった要素を評価に取り入れることで横のつながりに意識をもたせることができます。この他にも、企業として各部門に対し活性化させたいことを評価項目にするなども検討すると良いでしょう。

対策4:ワークライフバランスへの配慮

ライバル意識や成果至上主義に陥ることで、業務の負荷を度外視してしまうことがあります。ワークライフバランスに配慮し、健全な独立採算制の推進を目指すことで従業員も成果を出しやすい環境になります。

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まとめ

ここまで独立採算制とは何か、メリット・デメリット、導入の際のポイントを解説してきました。独立採算制では、各部門での収支を管理するため工数管理も重要な要素です。「クラウドログ」は独立採算制の中で部門配賦のための工数管理ができ、情報の開示・共有もしやすいというメリットがあります。無料の試用期間もあるため、是非ご利用頂き、導入をご検討ください。

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