工数管理はプロジェクトを健全に進める上で欠かせない業務のひとつですが、マネジメント側は工数の予実管理をすることが目的化してしまったり、メンバーは工数をただ入力することだけが目的になってしまったりすることも往々にして発生します。
工数管理を行う際は目的や重要性を理解したうえで進めることで、工数を管理するだけの工数管理から脱却し、業務改善や生産性向上に繋げるなどのように意味のある工数管理を行うことができます。
目次
工数管理業務を行うメリット
まず、工数管理業務を行うメリットについて解説します。
プロジェクトの状況を把握できる
工数の入力は、デイリーまたは作業完了タイミングなどで逐次更新されるべきものです。常にアップデートする運用が定着すれば、リアルタイムでプロジェクトの進捗や予算状況を把握でき、問題がある場合も早期に発見し対策を取ることができます。
生産性が見える化される
工数管理は予定と実績を管理します。そのため、各作業の生産性が明らかになります。
たとえば、工数管理システムを利用すれば、詳細なレベルで数値が蓄積されるため、誰がどの作業にどの程度時間をかけたかが明らかになり、作業の集中度合いや空きリソースなども把握しやすいです。
従業員への意識付けができる
工数の実績を入力することにより、生産性が見える化されます。予定工数内で作業を完了できたか、予定工数を越えたかどうかが明らかになる結果、自然と従業員は予定された工数内に終わるよう意識し効率的に作業を行うようになることが期待できます。
プロジェクトごとの利益率がわかる
工数を付けることにより、プロジェクト完了時に正確な利益率を出すことが可能になります。利益率から、プロジェクトのうまくいった部分やうまくいかなかった部分を分析し次回以降のプロジェクトに活かすなど、ナレッジの蓄積や生産性向上のPDCAサイクルに活かすことができます。
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工数管理業務の実施方法
工数管理を行う場合、エクセルなどのスプレッドシート、または工数管理ツールを利用する方法があります。
以下にそれぞれのメリット、デメリットを解説します。
エクセルなどのスプレッドシート
小規模なプロジェクトやチームの場合や、無料でとにかく今すぐに始めたいという場合はエクセルでも十分工数管理が可能です。
メリット
- Office製品のライセンスがあれば新たなコストが必要なく、手軽にすぐ始められる
- 自身でフォーマットを作成したり計算式を作成したりなどカスタマイズが自由にできる
- 無料のテンプレートが多く公開されている
- Office製品に慣れている人が多い場合、教育期間や教育コストが不要
デメリット
- ファイルの履歴管理がしづらい
- 大規模プロジェクトには不向き
- スマートフォンでの操作がしにくい
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工数管理ツール
昨今のDX(デジタル・トランスフォーメーション)の取り組みや工数管理自体の生産性を考慮した場合、可能であれば工数管理ツールを導入することをおすすめします。
メリット
- 各作業を登録し工数の予実の入力を行うことでガントチャートが自動で作成され、進捗管理が行いやすい
- プロジェクトの規模やチームの規模に関係なく導入できる
- ASPのサービスが多く、リモートワークにも適している
- 分析機能が搭載されているものが多く、リアルタイムにプロジェクトを分析できる
デメリット
- 有料なものもあるため導入・運用コストがかかる
- 導入の際に教育期間やチームへの教育が必要
- 一度導入すると他のシステムへ乗り換えにくい
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工数管理業務を行う際の4つのポイント
工数管理の業務をスムーズに間違いなく進めるにはポイントがあります。以下に代表的なポイントを解説します。
ポイント1:工数管理の元となるデータの粒度、精度を確認
工数管理業務開始する際、既に管理すべき作業項目と予定工数が算出されている状態でしょう。多くの場合、作業項目の洗い出しにはWBS作成を行いますが、工数管理の元となるWBSの作成や見積が不正確な場合、工数管理業務開始後に苦労する可能性があります。
工数管理の元となる作業項目や見積工数の粒度、正確性を確認し、粒度が粗いと考えられる場合にはバッファの確保や、工数の再設定を行うなどの対策を行います。
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ポイント2:各自にこまめに入力させる
工数管理業務は作業担当者が各々で入力することに意味があります。各人で逐次入力することでプロジェクトの最新の状況をいつでも確認することができ、問題の発見も早期に行える可能性があります。
ポイント3:入力ルールを共有する
開発など明らかな作業項目は工数を入力しやすいですが、定例会議や調査・検討、作業環境の整備などは、どこにつければ良いか迷ってしまうことがあります。これらは予めルール化し、チームに共有しておくことで正確な数値を得ることができます。
ポイント4:工数を分析し逐次フィードバック、対策を行う
入力された工数の分析を行い、プロジェクトの状況を定期的に確認し、プロジェクトの状況をチェックします。問題がある場合は対策を行い、また、チームにフィードバックを行い業務改善に繋げます。
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まとめ
工数管理業務を行う際には運用上のポイントに加え、エクセルや工数管理ツールの利用など、どのツールで管理を行うかも重要なポイントです。
どちらにすべきか迷う場合は、両方を試験的に導入し、使い勝手などを評価してから判断することをおすすめします。クラウドログは工数の入力が簡単で、多角的な分析レポート機能もあり業務改善や生産性向上にも非常に有効です。無料の試用期間もあるため是非導入をご検討ください。