プロジェクト管理を行うプロジェクトマネージャーの役割のひとつとして、プロジェクトの目標設定がありますが、プロジェクトの目的と混同してしまう場合も多いです。
プロジェクトを進めるうえで目標設定は重要ですが、目標設定を誤るとチームメンバーのモチベーションが低下したり、プロジェクトが終了してから達成有無を測れないことに気付いたりなどの問題が発生することがあります。
そのため、目標設定の方法やポイントを知ったうえで設定内容を検討することが重要です。本記事では、プロジェクト管理の目標設定について、基本からベストプラクティスまでを解説します。
目次
プロジェクト管理における目標とは
どのようなプロジェクトにもプロジェクトには目的があります。まずは目的と目標の違いを理解することで効果的な目標設定に近づくことができます。
- プロジェクトの目的とは
プロジェクトの目的とは、顧客への価値提供により利益を得たりユーザーを獲得したりなど、多くの場合ビジネスの成果を目的としています。 - プロジェクトの目標とは
プロジェクトの目標とは、管理プロセスに関連するもので、プロジェクトの目的を達成するためのより具体的な手段や方法です。 - プロジェクトの目的と目標の違い
プロジェクトの目的と目標をまとめると以下のような違いがあります。
プロジェクトの目的:プロジェクトの実施により達成する必要があるもの
プロジェクトの目標:プロジェクトの目的を達成するための具体的な手段・方法
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なぜプロジェクト管理で目標を設定すべきなのか
そもそも、なぜ目標設定をすべきなのか、理由を理解しておくことで具体的で意味のある目標を立てやすくなるでしょう。
ここではなぜ目標設定を行うべきなのかを解説します。
同じゴールを向きやすい
前項の通り、プロジェクトには目的がありますが、比較的抽象的で大きな目的が掲げられることも多く、メンバーの視点から見るとゴールが遠くに感じたり、身近に感じづらかったりすることにより、それぞれの解釈で目的を捉えてしまうことがあります。
プロジェクトの目標は目的を実現するための具体的な手段や方法を設定するため、目的に向かう中間地点や方向性を示し、メンバーが同じゴールに向きやすいというメリットがあります。
スキル強化が期待できる
目標の達成は一人では行えません。目標を実現するためには、達成のためのアイデア出しや技術的な検討などメンバーとの協力やコミュニケーションが必須になるため、目標実現の過程でこれらスキルの向上が期待できます。
プロセス改善が期待できる
目標を実現するには業務の効率化や改善が必要になることも多いです。目標設定を行うことにより、より良いプロセスへの改善が期待できます。
上記のような効果が期待できるため目標設定は行うべきだと言えますが、目標をより効率的に達成する手段として、プロジェクト管理ツールも重要です。
クラウドログではプロジェクト管理機能に加え、多彩な分析機能があるためプロジェクトの現状や改善すべきポイントが把握しやすく、目標達成をサポートする便利な機能を備えています。
プロジェクト管理ツールに限らず、現在利用しているツール類も一度見直してみると良いでしょう。
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プロジェクト管理の目標設定方法
目標を設定する際には「SMART」を意識することで、明確で実現しやすい目標になりやすいです。SMARTとは下記の略です。
- Specific(具体的な)
- Measurable(測定可能な)
- Achievable(達成可能な)
- Relevant(関連した)
- Time-bound(期限がある)
それぞれ解説します。
Specific(具体的な)
目標は曖昧であるほど達成率が低下します。目標を限定し可能な限り具体的にします。「具体的」であるかどうかの指標としては、誰が見ても同じ認識が持てるような明確な内容になっているかどうかで判断します。
Measurable(測定可能な)
達成したかどうかを測れるよう、具体的な数値の設定や、目標に向かうマイルストーンを設定するなどで目標達成度を測れるようにします。
Achievable(達成可能な)
高すぎる目標はモチベーションの低下を招くことがあります。一定の期間内に達成でき、かつ簡単すぎない、少し頑張ることで達成できそうな目標を設定することが重要です。
Relevant(関連した)
目標がプロジェクトの目的に関連していることは勿論、自身にも利益のある目標である必要があります。達成により年次の評価や昇給に繋がったり、スキルを習得できたりなど、目標にすることでモチベーションの維持と目標達成の確率を上げることができます。
Time-bound(期限がある)
期限を設定することで目標達成までのスケジュールや実施すべきことの計画を立てることができ、達成までのイメージを持つことができます。
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プロジェクト管理の目標設定におけるベストプラクティスとは
プロジェクトの目標管理は下記のような観点で設定することで達成度を上げることができます。
現在の状態と、なりたい未来から始める
効果的な目標を設定するには、プロジェクトの現在の立ち位置を評価・認識し、そこからどのようになりたいかを明確にするような目標を設定します。
目標を小さく分解する
大きな目標は身近に感じられず、また、曖昧で理解しにくい傾向があるため達成がされにくくなります。最終目標は大きくても問題ありませんが、目標を分解し、道筋を示すことがポイントです。
具体的で測定可能な目標にする
目標を小さくすることに加え、その目標を具体的な内容にすることも重要です。具体的かつ目標の達成を測定可能なものに設定します。
チームメンバーの強みを考慮する
不得意な分野を目標設定してしまうとモチベーションの低下や効率の低下が発生することがあります。メンバーが得意なことは、好きであることが多く、スキルをさらに伸ばしやすく、目標の達成度も上がります。
達成ばかりではなく、学習にも重点を置く
目標は多くの場合成果に焦点を当てていますが、学習を含む目標は、長期的な視点で企業、チームともに有効に作用します。学習には時間がかかりますが、その効果は時間とともに証明されるでしょう。
目標の関連性をチームに示す
目標がどのように自社に貢献するのか、どのようにプロジェクトに関連するのか、自身にどのようなメリットがあるのか、関連を明確に示すことで納得感を得られ、モチベーションの維持と達成度の向上が期待できます。
目標の意味を合意する
目標の認識や理解が異なったまま進めてしまうとどちらにとっても不幸な結果を招きます。
一方的に与えるのではなく、目標設定プロセスにチームメンバーを入れ、目標の意味を正しく理解し、合意することが重要です。
まとめ
ここまで、プロジェクト管理の目標設定について解説してきました。目標設定の重要性や目標設定の際に気をつけるべきことが理解できたのではないでしょうか。
目標を達成する手段としては様々ありますが、ツール選びも重要な要素のひとつです。クラウドログは効率的なプロジェクト管理に加え、ナレッジの蓄積、プロジェクトの評価に効果的なプロジェクト管理ツールです。
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