アットホーム株式会社 「脱・Excel」で3日かかった工数集計を3時間で。工数管理を効率化し、2倍にスケールした開発組織をバックアップ

業種
建設・不動産
企業規模
1000名以上
課題
生産性改善・働き方改革 / 脱表計算・脱自社システム / 資産計上

1967年の創業以来、不動産情報サービスのパイオニアとして、不動産情報メディア・不動産業務ソリューションなどの事業を手掛けるアットホーム株式会社。「不動産情報サイト アットホーム」や不動産業務総合支援サイト「ATBB(アットビービー)」など、同社のさまざまなサービスを支えている存在が、情報システム部や協力会社の開発スタッフです。

事業の拡大に伴い、開発スタッフの人員増加を進める一方、工数やプロジェクト管理に課題を感じ始めたことをきっかけに、紙とExcelを使用した既存の管理方法からクラウドログによる管理方法に移行しました。クラウドログ導入の背景にはどのような課題があり、そして導入から4年以上が経った現在、どのような成果がもたらされているのでしょうか。前回の事例取材から3年後の現在の状況について、お話を伺いました。

情報システム部 副部長 服部 渉 様
情報システム部 マネジメント統括室 管理グループ グループ長補佐 小野 みどり 様
情報システム部 マネジメント統括室 管理グループ 中山 真理子 様

課題

  • 工数管理に使用するExcelシートのマスタの更新などのメンテナンスに手間がかかっていた
  • スタッフから提出されたExcelシートの集計に、1人が付きっきりでも2~3営業日かかっていた
  • Excelの準備・提出後の集計作業を合わせると、毎月10営業日も時間がかかっていた

決め手

  • プロジェクトと工数をシンプルに管理できるツール設計であったこと
  • カレンダー表示など、タイムシート画面が分かりやすく、工数入力も簡単だったこと
  • 小規模のうちから導入し、組織拡大にあわせてアカウント追加やプレミアムプランの契約ができること

効果

  • スタッフ数が100名から200名へ倍増しても、以前と同じくらいの工数で管理できている
  • 毎週2~3時間かかっていた入力状況のチェック作業はほぼなくなった
  • 月初の工数集計作業は3日から3時間に、経理・財務部への共有用の資料作成は2日から1時間に

紙とExcelでスタッフの工数を管理。とにかく手間と時間がかかっていたことが課題

貴社の事業内容をお聞かせください。

服部 渉 様(以下、敬称略):2022年12月に創業55周年を迎えた当社は、不動産情報メディアや不動産業務ソリューションを通じて、不動産に関わるすべてのお客様に役立つサービスを幅広く提供してきました。

不動産業界における情報を長年扱ってきた企業として業界全体のDXを牽引する存在であり続けるべく、今回のクラウドログの導入をはじめ、最新の技術を積極的に取り入れています。

クラウドログ導入以前、情報システム部や社外の協力会社のスタッフの工数やプロジェクトはどのように管理していたのでしょうか。

服部:クラウドログ導入以前、業務日報や業務契約書の内容をもとに、Excelでマクロを組んで集計していました。Excelには、氏名や所属、対象期間に従事した業務とその成果、進捗状況を記入する欄が設けられており、100名もの協力会社と社内のスタッフに毎月入力いただき、情報システム部に提出する、という業務フローでした。

小野:提出後の処理は、すべて手作業です。記入済みのデータを月末に締めて提出いただくと同時に、シートを印刷した紙の書類を提出いただき、記入内容に問題がなければ確認済みの印鑑を押していました。集計したデータは各スタッフの実績把握に使用し、そのまま経理・財務部門に連携して請求金額に反映されるため、ミスは許されません。

クラウドログ導入以前に抱えていた課題をお聞かせください。

小野:最も課題に感じていた負担は、100名のスタッフに展開するExcelシートのメンテナンスでした。

当社では常にいくつもプロジェクトが走っており、毎月のように案件も増えるため、常にマスタを更新しておく必要があったのです。すべてのプロジェクト状況を把握し、最新の状態に更新しつつ、Excelが重くならないように配慮する必要もありました。

中山:提出後の集計にも手間と時間がかかっており、私が専任で担当していても2~3営業日は必要でした。また、経理・財務部門に連携するソフトウェア資産計上の資料作成にも、2営業日ほど必要でした。こうしたExcelの事後集計と配布前の準備を合わせると、10営業日の時間が毎月かかっていたことが課題だったのです。

また、紙の書類を取りまとめる事務作業にも手間を取られてしまい、会社の業績に直接貢献できるような採用系の仕事まであまり手が回っていませんでした。

服部:協力会社側にとっても、現場のリーダーや担当者が変わった場合、Excel管理だと引き継ぎしにくいという課題があったと聞いています。また、協力会社ごとに提出前に集計と押印の確認をお願いしていたため、ここでも手間と時間がかかっていました。

タイムシートの分かりやすさ、アカウント数を柔軟に追加できる点が、導入の決め手に

ツールの選定にあたって、どのように比較検討されましたか。

服部:プロジェクトや工数を管理できるツールとして比較検討したのですが、勤怠管理の要素が強いツールが多い印象でした。当社の課題を考えて、プロジェクトと工数をシンプルに管理できるツールを求めていました。さまざまなサービスを検討するなかで出会ったのが、クラウドログでした。

クラウドログの導入を検討する上で、どのような要素を評価していましたか。

服部:一番評価しているのは、タイムシート画面の分かりやすさです。カレンダー表示でパッと見て工数を確認することができますし、感覚的に入力できる点も高評価です。社内や協力会社のスタッフのほとんどがエンジニアであり、普段はコーディングで忙しいのです。コーディングを邪魔せずに、業務を手軽に入力できるインターフェースはまさに求めていたイメージ通りでした。

加えて、タイムシート内では視覚的にかかった時間を確認することができるため、入力された時間が正しいかどうかもすぐに判断することができます。

ツールの費用対効果については、どのように判断していますか。

小野:イニシャルとランニングのコストと、情報システム部でどれだけの業務時間を削減できるかを試算しています。業務時間の削減だけでなく、削減された時間によって別の業務にリソースを投じることができると判断し、導入に向けたトライアルを実施することになりました。

服部:まずはスモールスタートで契約し、スタッフ数が増えた段階でアカウント数を追加契約できる柔軟な料金体系であることも高評価でした。プロジェクトによっては、一気に数十名単位でスタッフが増えることもあるのです。また、当初は社内と協力会社のスタッフ数は100名からスタートしましたが、最近では400名規模にまで拡大しました。

アカウント数の規模が小さい頃はコストを抑え、のちに拡大したときにアカウント数を追加契約できる点は、当社の状況に最適だったのです。

トライアル期間では、どのような要素を重視していましたか。

服部:以前の集計作業と同じように、プロジェクトと工数、実績の管理に必要なデータが取得できるかを確認しました。また、取得したデータを請求処理に回せるだけでなく、今後コスト改善を進めていく上でも活用できそうかを判断しています。

また、トライアルでは協力会社の方にも参加いただき、現場のスタッフがしっかり入力できそうかを判断いただいています。

アカウント数を追加し、プレミアムプランへ移行。検索機能や部署変更履歴が高評価

クラウドログの導入はどのように進められましたか。

服部:導入決定から2ヶ月で初期設定を完了し、そこから2ヶ月で社内と協力会社のスタッフへの浸透を完了しました。初期設定では、以前のExcel管理で苦労していたマスタの運用設計をまず整え、次に後工程の集計フローを整理しています。同時に、以前はバラバラになっていたプロジェクトの粒度についてもルールを決めて、各グループのマネージャーに展開しました。

クラウドログを社内に展開するにあたって、どのような工夫をしましたか。

小野:クラウドログの画面キャプチャを活用したマニュアルを作成しました。1つ例を挙げると、請求金額にも関わってくるため、クラウドログ上と勤怠管理システム上、それぞれの稼働時間が揃うように記入をお願いしています。

また、社外のスタッフも操作することになるので、工数の入力手順に加えて「触ってはいけない項目」についても記載しました。マニュアルはクラウド経由で共有しているので、チャットツールで現場から声を受け付け、不定期に見直して更新をしています。

クラウドログで特に活用している機能をお聞かせください。

中山:レポートのエクスポート機能はよく活用しており、書き出したデータはかなりの頻度で使っています。部内の報告資料や財務部門に提出するデータ、役員向けのIT投資の報告資料など、多岐に渡っています。特に予算・実績関連の資料を作る際には重宝していますね。一方、各プロジェクトのマネージャー層は、データをダウンロードせずにクラウドログ上のレポート画面をよく参考にしています。

契約の途中から、ベーシックプランからプレミアムプランに変更いただきました。プレミアムプランのどういった機能が必要だったのでしょうか。

中山:タイムシートレポート機能にあるすべての検索が行える点を評価し、プレミアムプランへの切り替えを決めました。これによって「入力に不備があるスタッフ」「勤怠時間と工数時間に差がある=残業の多いスタッフ」をワンクリックで表示できるようになり、締め処理の工数を大きく短縮できました。

これまでは情報システム部が週次でデータをエクスポートし、Excel上で入力状況をチェックをして、不備があるスタッフを洗い出して個別にリマインドするという手間がかかっていました。しかし現在では、各プロジェクトのマネージャー自らがこの検索機能を使って入力が漏れている、不備があるスタッフにリマインドをするという運用に変えているため、情報システム部の負担が1つ減っています。

小野:当社は部内の異動や新組織の立ち上げも多いため、部署の変更履歴を残すことができる機能も重宝しています。簡単に部署名を変更でき、より当社の状況にあった運用ができるようになっています。

3日かかっていた工数集計作業が3時間に!財務部門への連携もデータを展開するだけに

クラウドログの導入によって、どのような成果が得られましたか。

中山:私が対応していた、毎週2、3時間ほどかかっていた入力状況のチェック作業、および社内と協力会社へのリマインド業務の時間が短くなり、負担が大きく軽減しました。プレミアムプランによって、「入力に不備があるスタッフ」「残業の多いスタッフ」をパッと表示できるようになりました。

また、クラウドログ上でアラートを確認できるようになったことで、現場で頻発していた入力漏れも減っています。現在では、月末の1週間前に「あと1週間で締め日です。今月分の入力を確認してください」というアラートを出し、それでも漏れている人には「帰る前に必ず確認、入力してくださいね」とお願いするメッセージを送っています。

小野:クラウドログ導入当時、協力会社のスタッフは100名前後でしたが、現在はほぼ倍の200名になっています。それでもしっかり継続して管理できているので、やはりツールを導入してよかったと実感しています。

服部:定量的な成果として、月初の工数集計作業にかかっていた時間が、3日から3時間に削減されています。また、財務部門へ提出するソフトウェア資産計上の資料作成にかかっていた時間が、2日から1時間に短縮できたことも嬉しいポイントです。書類の手作業で集計していた状態から、データダウンロードして加工するだけになったので、楽になっています。

財務部門もクラウドログで管理していることを認識しており、プロジェクトマスタをやり取りしています。クラウドログのプロジェクト名とプロジェクトIDを毎月の定例会で共有するように変更し、以前よりも資産調査の手間もかからなくなったと聞いています。

さらには、Excelシートのメンテナンス、準備も必要なくなったので、以前に抱えていた課題は解決できています。

現場の社内や協力会社の方からはどのような反応がありましたか。

小野:当初は「なぜ勤怠管理と工数管理の両方をやることになったのか」「二重管理になっているのではないか」との声が現場から上がっていました。しかし、工数管理の意味と目的を全体ミーティングで丁寧に共有したこと、そしてクラウドログが使いやすく、入力の負担が小さかったことから、反対する声は聞こえなくなりました。クラウドログの操作にも慣れたのか、現場からの質問は最近ほとんどなくなりました。

「クラウドログは、「脱・Excel」を実現できるツール」

今後のクラウドログ活用の展望をお聞かせください。

服部:社内と協力会社のスタッフも、クラウドログによる工数管理にはだいぶ慣れてきまして、現在の体制は安定してきました。今後も決めたルールをしっかり運用していくこと、逆に何か問題が発生すれば、すぐに改善できるような環境を維持していきます。

昨今、DXという言葉が一般的になりましたが、さまざまなツールをしっかり利活用して、業務効率と業務品質を上げていくことは、どのような企業にも求められていることです。だからこそ、クラウドログには、他社プロジェクト管理ツールとの連動など外部サービスとのシステム連携に期待しています。

クラウドログは、どのような企業におすすめできるでしょうか。

服部:クラウドログは、「脱・Excel」を実現できるツールだと思います。特に中小企業であればなおのこと、バックオフィス業務に割く人員に限りがあると思いますので、導入の効果は得やすいと思います。一方大企業の場合、導入するにもまずルールや体制を整えることが大変なので、しっかりPoCを重ねることが大事です。

工数管理における脱・Excelを目指す企業であれば、一度クラウドログを触ったらよいのでは、と思います。

アットホーム株式会社

https://athome-inc.jp/

1967年12月
事業内容:不動産会社間情報流通、消費者向け不動産情報、不動産業務支援
社員数:1,636名(2023年2月末現在)
資本金:1億円

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