2001年サービス開始のアクセストレードに始まり、アフィリエイト事業を営む企業の中でも最長クラスの歴史と現在まで続く実績を持つ株式会社インタースペース。現在は、海外での展開・連携も力強く進めており、東南アジアを中心に子会社や現地法人も設立。顧客である広告主も、グローバルに広がり続けています。
同社のシステム企画開発部では、ソフトウェアの開発を行う上で、資産計上などの会計業務のために工数管理が必須であったそうです。システム部⇔経理部の工数報告を続ける中で感じていた課題を解決するべく、2023年8月にクラウドログを導入しました。今回は、工数管理を続ける中でクラウドログ導入によって起こった変化、導入の経緯や実際の使用状況、今後の活用について伺いました。
背景
- ソフトウェアの資産計上のために、工数管理が必須だった
- 事業が複雑化する中で、分析の必要性を感じていた
- 過去データの蓄積による経験値・スキルの可視化を進めたかった
決め手
- 他社との比較で、最も入力がしやすいと感じた
- 監査や決算業務に適したデータ作成が可能だった
- トライアル期間に十分な操作や設定ができ、運用の準備を整えられた
効果
- 不便だった紙決裁がシステム上で完結でき、出社必須ではなくなった
- 工数と進捗のギャップが把握しやすくなった
- 入力ミスも減り、データの正確さも向上。経理による工数チェック時間も軽減された
広告主とターゲットをつなぐ、2つの事業を展開する
御社の事業内容を教えてください。
吉越 謙治様(以下、敬称略):弊社インタースペースは、パフォーマンスマーケティング事業とメディア事業の2つを大きな事業の柱としています。
パフォーマンスマーケティング事業では、国内・海外のアフィリエイト事業のほか、マーケティング支援などを実施しています。メディア事業はコンテンツ型メディアと比較検討型メディアに分けられますが、それぞれ違いはあるもののどちらも広告を通じて収益を得ています。
皆様の所属と業務内容について、お聞かせください。
吉越:私と穴見は、社内を含むすべての顧客ニーズに対応したソリューションの提供を理念とするシステム企画開発部に所属しています。私が部長、穴見はマネージャーを務めております。
具体的には、事業の根幹となるアフィリエイト広告システムの開発・保守・運用、社内向けには業務基幹システム、管理系システムの導入支援を行っています。
蜂谷 修三様(以下、敬称略):私は、財務経理部の所属です。特に、他社と比較してポジションの違いはないですね。月次決算や支払い・入金、決算発表に関わる業務が主な仕事です。
ソフトウェア開発には必須の資産計上のため、工数管理を開始
工数管理の必要性を感じられたきっかけは何でしょうか。
蜂谷:システムを開発・運用する上で、ソフトウェアの資産計上に必要だったためというのが主な理由ですね。システム企画開発部に協力してもらって、工数管理を行っていました。
吉越:最初は理由もわからないまま、経理部門のリクエストに応えてなんとなく入力していましたね。だんだんデータの使われ方がわかってきて、より工数管理を意識するようになったというところです。
あとは事業が広がるにつれて、扱う案件の幅が広くなり、把握が難しくなっていることも気がかりでした。社内・社外の区別もそうですが、社外の業務でも国内・海外の割合など、体感としては把握していても、正確な管理まではできていない状態でした。
必要なデータは満たせても、人力ベースでの工数管理は困難続きだった
クラウドログ導入以前から、工数管理はされていたのでしょうか。
吉越:当初は、Excelで一部の業務の割合を把握する程度のおおざっぱな用途でした。たとえば、運用業務が前年比増だったか減だったかといった肌感覚の裏を取る程度には十分でしたが、エビデンスとして使えるものではありませんでしたね。
工数管理を行っていく上で、どのような困難や課題がありましたか。
穴見 孝和様(以下、敬称略):Excelで入力していた時は、案件名の部分が自由入力だったので、名称が統一されていなかったり、分類がしにくかったりすることがありました。こうした点も、データが正確に取りにくい理由だったと思います。あとは、共有で編集していると、いつの間にかマクロや関数を消してしまって、シートの構造を壊してしまったこともありました。
蜂谷:ある程度運用が安定してからは、壊れる頻度も少なくなりました。しかし、見えないところでデータが拾えないことがあるのか、集計表と合わなくて再計算の手間がかかったり、そもそも間違っていることに気づけないまま進行していたりする部分があり、チェック時に再集計することはあったと思います。
クラウドログの「入力のしやすさ」を高く評価。機能面の要望も満たし、導入もスムーズに
導入を検討し始めた時期や状況について、教えてください。
穴見:一番最初に動き出したのは、2年ほど前ですね。有料・無料を含めて一通り調べてみたのですが、どれもしっくりこなくて、1度棚上げ状態になっていました。工数管理のツールを調べたいのに、見つかるのはプロジェクト管理のツールばかりで、お手上げ状態になってしまったのです。
その後、社内の状況が変わる中で、テレワークの導入のためにペーパーレス化したい、過去の実績との比較をしたいといった要望が集まって、再度検討を進めることになりました。
検討の際に、気になったことや決め手となったことは何でしょうか。
蜂谷:経理としては要求するデータがちゃんと取れれば十分なので、選定はシステム部門さんにお任せしていました。工数データを取る過程で、上長が承認できる仕組みはお願いしたと思います。クラウドログの担当者さんからは、経理部にも考慮していただいていました。内部統制などとの関連も含めて、詳しい導入事例の話を伺えたのが、大変参考になりましたね。
吉越:機能や条件を20項目ほどに分けて、複数社のサービスを比較していました。特に重視したのは、工数の入力画面やレポートの見やすさ、工数を確定する際に承認のステップが設けられるか、監査で提示する際など経理業務での使いやすさの3点です。
結果として、弊社ではクラウドログが使いやすいだろうという結論になりました。工数管理を行うには、まず各メンバーに欠かさず入力してもらう必要がありますからね。何よりも入力のしやすさで、クラウドログが一番だと感じました。
導入後の反応はいかがですか?
吉越:トライアルの期間を長めに取ってもらって、おかげさまでいろいろ試すことができたので、弊社の運用に入れられるようになりました。当初の目的だった開発と運用の区別を明確化して、資産計上のための報告もスムーズになりました。
穴見:使っているメンバーの中では、毎日入力する人や定期的にまとめて入力する人などさまざまです。Excelを使っていた頃のままで、担当している業務や個々のスタイルによるという感じですね。特に操作が難しいという反応もなかったので、スムーズに移行できていると思います。
また、実際に工数を細分化していくことで、新しい発見もありましたね。弊社ではオフィス内にマッサージルームがあって、国家資格を持った理学療法士の社員がマッサージをしてくれるんです。この時間は勤務時間として認められているので、今回の工数分析でシステム企画開発部の「マッサージ工数」までわかるようになりました(笑)。
クラウドログ導入によるペーパーレス化・精度向上で、関係者の負担軽減から工数⇔進捗ギャップ可視化まで
導入されてから半年以上が経過しましたが、体感されている変化はありますか。
穴見:他の方からも言われたんですが、フローが丸ごと変わったので、上長としての決裁と経理部への報告がペーパーレスになったのがけっこう大きい変化でしたね。提出のためにスケジュールを調整して出社するのが、心理的に少し負担となっていたようなので、それもまとめて解決できました。あとは、入力ミスに気づきやすくなったので、差し戻されるまで気づかないというケースがほぼなくなりましたね。
蜂谷:経理としてもデータがログインして開くだけで見られるようになったので、手軽になりましたね。集計結果に対する不安も確認作業に間違いがないかの不安もなくなったので、チェックにかけていた時間分、工数が減りました。
以前は、確認のために折り返し問い合わせることもしばしばありましたが、今はデータがそのまま使えています。毎月3~4時間くらいかけていた作業が、今では1時間もあれば完了できます。
穴見:週1回程度のペースでレポートを確認しているんですが、入力されているかのチェックだけじゃなくて、進捗の確認としても活用しています。今までプロジェクト管理システムのデータと本人の報告で見ていたのですが、今はクラウドログのデータを足すことで、工数と進捗のギャップも考慮に入れて測れるようになりました。
今後、クラウドログを活用することでかなえたいことはありますか。
吉越:データが年間でまとまってきたら、今度は人事配置の検討に使っていきたいですね。経営陣へのデータ提示として、使える部分もありそうです。
穴見:各メンバーの過去の実績や経験、スキルや業務知識は、今までマネージャーが感覚ベースで把握していたんです。こうしたメンバーのデータもクラウドログで可視化されて、他のマネージャーたちも把握できたり、案件やプロジェクトへの最適なアサインが実現できたりするようになるのではと考えています。
蜂谷:運用上は、工数管理業務が少ない方がベターです。全体における開発業務の工数が多ければ多いほど、サービスへの影響度・貢献度は高くなるので、開発に時間を割ける状況がベストだと考えています。現在はまだデータの収集途中なので、ゴールについて見定めるのはこれからですが、クラウドログによる可視化で目指す姿を描いていけると思います。
パフォーマンスマーケティング領域で、アジアのトップを目指す
これからに向けて、御社の展望についてお聞かせください。
吉越:全社として、グローバル市場でのパフォーマンスマーケティング領域で、アジアのトップを目指していきます。具体的には、海外事業とメディアを両輪として成長し続けるというところですね。
我々の部署としては、国内のアフィリエイトシステムを主に開発している部署なので、収益を増やして新たな事業投資に展開していくというところが主なミッションです。付加価値を作っていくことで、新規開発の展開をこれまで以上に継続していきます。併せて、コスト削減や効率化の取り組みを進めることで、新たな投資の原資を作るような動きも生み出していきたいと思っております。
最後に、クラウドログをご検討いただいている方へメッセージをお願いします。
蜂谷:工数の集計が大分楽になりますよ、とお伝えしたいですね。プロジェクトの組み方次第で、工数管理がかなり楽になります。個人単位で単価を設定することもできるので、会社さんによっては資産計上まで、クラウドログだけでほぼ完結できるのもありがたいと思います。
穴見:使い勝手がすごく良いんですよね。昨年(2023年)使い始めた頃にはまだ「こうなってほしいな」と思っていたことが何点かあったんですけど、アップデートのたびにかなってきています。サービスを進化させ続けているところは、クラウドログの長所ですね。これからも機能面・操作面の向上はどんどん進みそうなので、楽しみにしています。
株式会社インタースペース
1999年11月
事業内容:パフォーマンスマーケティング事業・メディア事業
社員数:272名(2023年9月末現在)
資本金:984,653,800円