大陽日酸株式会社 産業ガス大手の大陽日酸DXセンター。自部署にクラウドログ導入後、Excel工数管理からの脱却と業務可視化に成功

業種
製造・メーカー
企業規模
1000名以上
課題
工数入力コストの削減 / 脱表計算・脱自社システム

創業から110年以上の歴史を持ち、酸素、窒素や炭酸ガスといった産業ガス事業で市場シェア世界第4位、国内第1位を誇る大陽日酸株式会社。同社のデジタル推進を担うDXセンターでは「工数の見える化」を目的にクラウドログを活用しています。クラウドログ導入の背景にあった課題と成果について、ご担当者にお伺いしました。

経営企画・ICTユニット DXセンター 所長 岸田 太 様
DXセンター デジタルビジネス推進部長 赤井 康昭 様
デジタルビジネス推進部プロジェクト企画課長 松島 洋輔 様

背景

  • プロジェクトが追加されるたびに、Excelのマスタを変更する必要があった
  • 共有フォルダのシステムが変わってしまい、メンバー同士がうまく連携できなくなった
  • 毎年の年度末にExcelのマスタを更新する必要があった

決め手

  • 非常にシンプルで直感的に操作できることが魅力的
  • 質問に対する迅速なチャットによるヘルプに感動

効果

  • 導入1ヶ月で業務の「見える化」を実現
  • 毎日の入力作業が手軽になり、時間が掛からなくなった
  • 業務の「見える化」で課題を特定できた

工夫

毎日の記入を推奨している(強制はしない)

管理職だけでなく、現場メンバーもマスタ登録ができるように

Outlookカレンダー同期で業務を効率化している

デジタル技術による生産性向上に取り組むDXセンター。Excelによる工数管理に課題

クラウドログを導入いただいている部署のミッションをお聞かせください。

岸田 太 様(以下、敬称略):私たちのDXセンターでは、生産やロジスティクスの現場をはじめとした全社のDXを進める部署です。最新デジタル技術の活用により生産性の向上を図り、会社の収益に貢献することを目的に立ち上げられました。

プロジェクトや工数の管理は、以前どのように行われていたのでしょうか。

岸田:1人のメンバーが常に3〜5のプロジェクトに関わっており、プロジェクトごとに費やされている全体のリソースを把握することができていませんでした。

そこで、メンバーがそれぞれの工数にどれだけの時間が掛かっているかを「見える化」することを目的に、プロジェクトの工数管理を進めることになったのです。

赤井 康昭 様(以下、敬称略):クラウドログを導入する以前は、どのプロジェクトにどのくらいの工数を割いているか、メンバーが各自Excelに毎日記入するという方法で進めていました。メンバーごとにマスタと連携されたExcelを読み込み、そこに掛かった時間を記入するまでに留まっていたので、現場作業や事務作業、会議など、具体的にどのような業務が発生したのかまでは記入していません。

メンバーそれぞれが入力したExcelを社内の共有フォルダに集約し、また別のマスタで集計するという仕組みを何年も続けていました。

プロジェクトや工数の管理では、どのような課題があったのでしょうか。

松島 洋輔 様(以下、敬称略):毎回PCでExcelを立ち上げてファイルを開き、Excelに必要項目を入力していく作業は、毎回ちょっとした時間と手間が掛かっていました。また、プロジェクトが新規で追加されるたびに、マスタを修正し、メンバーに周知するという対応が必要になります。

その他にも、共有フォルダのシステムが変わってしまい、Excelのファイル間参照がうまく連携できなくなったことも課題でした。

共通フォーマットのExcelは、どのように更新していたのでしょうか。

松島:年度ごとに部署のミッションが更新され、また、人事異動でメンバーが入れ替わるため、毎年の年度初めにマスタをリセットしたExcelを作成する必要がありました。

赤井:前年から継続しているプロジェクトや新たに加わるプロジェクトもあり、変更点を一つひとつまとめていくのが大変でした。センター内の複数の課長のうち、毎年だれか1人が年度末に丸2日ぐらい掛けて、更新業務を担当していたのです。

毎日継続して入力するため、入力のしやすさ、手軽さを最も重視

クラウドログをお知りになったきっかけをお聞かせください。

松島:インターネット上でプロジェクトの工数管理ができるツールを検索していく中で、クラウドログを含め3~4のツールが検討に上がってきました。また、社内で使用しているMicrosoft Teamsにも表形式のファイル共有ができる機能があり、Teamsを導入するという選択肢もありました。

ツールの比較検討はどのように進められたのでしょうか。

松島:主に外資系の管理ツールも含め比較検討を行っています。外資系の管理ツールの場合、機能がとても充実していたものの、私たちが求めているシンプルなプロジェクトの工数管理には機能が多すぎると感じました。

操作が複雑になったり、入力に迷ってしまったりと、機能が多いことはデメリットにもなります。一方でクラウドログは、非常にシンプルで直感的に操作できることが魅力的で「まずプロジェクトの工数を可視化したい」という目的に合致していたのです。

ツールを比較検討する上で、どのような要素や機能を重視していたのでしょうか。

岸田:日々の業務における、入力のしやすさ、手軽さを最も重視しました。入力しやすくなければ、メンバーは忙しい業務の中でツールを使い続けることはできません。以前のExcel管理の場合、特に忙しいメンバーは1か月分をまとめて入力していたこともありました。そうなると、集計したデータの粒度や精度がどうしても下がってしまいます。

松島:また、クラウドログでは、プロジェクト単位の工数管理だけでなく、より具体的な工数まで集計できる機能があるのは非常にありがたいです。以前のExcelでは、プロジェクト単位で費やされた時間を集計することはできたのですが、作業単位の工数集計ができていなかったのです。

たとえば同じ工数の中でも、会議への参加や事務作業、外出を伴う現場作業など、さまざまな業務が発生しています。工数の中でもどのような業務ごとに掛かっている時間まで可視化したいと感じていました。

こうした比較検討で重視した要素や機能を実際に確かめるため、クラウドログの無料1週間トライアルを実施しました。クラウドログを実際に触ってみたところ、非常に使いやすく、質問に対する迅速なチャットによるヘルプに感動し、正式にクラウドログの導入を決定しました。

直感的な操作でマニュアルいらず。マスタ登録はメンバー自身が行えるように

クラウドログの導入はどのように進んだのでしょうか。

松島:2022年5月からの正式運用を目指し、4月中旬から対象者に対してクラウドログの説明会を開きました。少しずつツールに慣れてもらうため、4月中は仮運用期間に設定し、5月からは全員必ずクラウドログで業務内容を入力してもらう形式で、準備期間はほぼ半月でした。

なお、導入にあたって、特にマニュアルは作成していません。ツールの操作感が直感的で分かりやすかったことが、クラウドログ導入をスムーズに浸透させた要因だと思います。

説明会の内容をお聞かせください。

松島:主にマスタ登録のルールを共有しました。以前は管理職がマスタ登録を行っており、新しい工数が発生してもすぐに反映できなかったのです。そこでクラウドログ導入を機に、事後報告を義務付けた上で部署のメンバーも登録できるように変更しています。登録されたマスタを部署間で紐づけする場合は、メンバーからの登録後に私が設定しています。

なお、クラウドログ導入直後のマスタ登録はすべて私が担当したのですが、たった半日で設定が終わりました。一旦、マスタを登録したので来年度からはその工数もかからないと期待しています。

部署内におけるクラウドログの利用ルールをお聞かせください。

松島:入力を忘れてしまうことがあるため、毎日の記入を推奨しています。会社のiPhoneからも入力できるため、帰宅中のようなスキマ時間にも入力できることを伝えました。

クラウドログでお気に入りの機能があればお聞かせください。

松島:弊社はOutlookのカレンダーを使用していますので「Outlookカレンダー同期」の機能はよく活用しています。クラウドログのタイムシート画面からOutlookと同期ができますので、1日に1回は同期するようにしています。

特に細かくカレンダーに予定を入力しているメンバーは「Outlookカレンダー同期」の機能を積極活用しています。同期できるおかげで、わざわざOutlookとクラウドログを両方立ち上げる必要がなくなり便利です。

導入1ヶ月で「業務の見える化」を達成!プロジェクトや工数ごとの課題をすぐに特定できた

クラウドログ導入後の成果をお聞かせください。

松島:「業務の見える化」が第一のフェーズ、「業務の効率化」を第二のフェーズとして今回の取り組みを進めてきました。どの工数で、誰がどのくらいの時間を費やしているのか、いつでも集計、グラフ化までできる状態なので、5月末現在で第一フェーズの「業務の見える化」を達成できています。

クラウドログを正式に運用して初月から「業務の見える化」を達成できたことは嬉しいですね。

岸田:今までは、毎日わざわざExcelを立ち上げて入力し、保存する必要がありました。また、社内に共有するためにアップロードする必要もありましたが、それらの手間が省けています。

すごく手軽に入力できているイメージで、毎回の入力に時間が掛かっている感覚は全くありません。

クラウドログで集計したデータはどのように活用されていく予定でしょうか。

松島:センター内で定期的に工数の状況報告を行う会議があるのでそこで活用していく予定です。以前の報告では、プロジェクトごとに費やされている時間しか記載できていませんでしたが、次回からは会議や打ち合わせ、作業など、より具体的な業務ごとに費やされた時間まで細かく報告することができます。

業務にはどのような変化や改善がみられましたか。

松島:導入してまだ1か月の段階ですが、明らかに工数が掛かっているプロジェクトや課題を特定することができています。また、長い会議があるのは必ずしも悪いことではないですが、全体の工数に対する会議時間がどれだけかかっているかが可視化され、効率の良い会議運営をするように心がけるきっかけになりました。

以前はExcelで集計したデータを手作業でグラフ化していましたが、今ではクラウドログ内でグラフを確認することができますので、業務の課題を特定しやすくなっていると感じます。しかもリアルタイムで閲覧できるので、すぐにアクションに移せることも嬉しいですね。

「以前のようなExcel入力にはもう戻れません」

今後の展望をお聞かせください。

岸田:私たちの部署、DXセンターのミッションは、デジタル技術を展開し、社内のITリテラシーを向上させ、DXを進めていきたいと考えています。

そのためには、私たちのような専門部隊がデジタル化業務を請け負うだけでなく、現場にデジタルツールを浸透させて各部署のメンバーが自ら課題を捉えて、自分たちの手でデジタル技術を使いこなして課題を解決していくことが必要不可欠です。

こうした考え方が浸透し、積極的に業務改善に取り組んでいく空気感を醸成していきたいですね。

今回のお取り組みにおいて、クラウドログはどのようなツールでしたか。

松島:一言で表すなら「工数を見える化するツール」でしょうか。以前のようなExcel入力にはもう戻れません。

岸田:誰がどのプロジェクトで工数を使っているのかといった、メンバー同士が細かい部分まで把握できるようになり、1つのコミュニケーションツールのような役割を果たしているのではないでしょうか。

大陽日酸株式会社

https://www.tn-sanso.co.jp/jp/

創業日:1910年10月30日
設立日:2020年2月4日
資本金:15億円
従業員数:1,557名(2024年4月1日現在)
事業内容:幅広い産業分野に、産業ガスを安定供給。 窒素や材料ガスから関連装置まで、トータル・ソリューションを提供。 プラントメーカーとして空気分離装置なども製造。

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