人材マッチングサービスを提供している同社では、複数グループにて業務把握・業務可視化の必要な場面が発生したことから、初めての工数管理に踏み切りました。工数管理ツール導入の経緯や、工数データの活用方法についてお話を伺いました。

マーケティンググループ B様
マッチングサポートグループ C様
背景
- 部署立ち上げの際に、巻き取るべき業務の把握が必要だった
- 兼任業務が増えたときに、使った時間の把握ができていなかった
決め手
- 入力の手軽さ、Googleカレンダーとの連携
- 見たい工数のレポートを手軽に出せる機能が揃っていた
効果
- 上層部と現場のギャップを、データで証明して説得することができた
- 兼任業務を詳細に可視化できた
- 「忙しい」理由を、メンバー自らが説明できるようになった
事務領域の人材マッチングサービスで、クライアントとワーカーの架け橋に
御社の事業内容と、みなさまの業務内容を教えてください。
A:ワーカーとクライアントをマッチングする人材サービスを運営しています。主に30~40代の女性が中心となり活躍されています。お住まいは全国各地、中には海外に在住の方もいらっしゃいます。
在宅業務と言うと、エンジニアやデザイナーなど比較的スキルレベルの高い人材を扱うイメージが強かったりすると思いますが、弊サービスは事務領域に特化していて、かつ時間単価制でやっています。
事務領域のユーザーは、オンラインで働きたくても、そもそも仕事を見つけるのが難しいというお悩みが多くありました。そこに対して、時間単価制でそのスキルと経験を活かせるサービスを作ろうと立ち上げたと聞いています。契約形態としては業務委託の準委任契約です。クライアントのニーズをヒアリングして、そこに合った即戦力となるような人材を提案しています。
オンラインのお仕事発注サービスとして一般的な「クラウドソーシング」と異なる点としては、実名制でマッチングをしているところや、あいだに私たちが入っているところが挙げられます。また、単発ではなく長期前提の契約になるので、ユーザーとクライアントで信頼関係を築ける点なども、双方に安心してお使いいただける理由と解釈しています。企業の人材不足解決と、主婦や介護者などの潜在労働者が活躍できるステージを創ることが現状のミッションです。
営業事務の立ち上げにあたり、事実に基づいたチーム設計が求められた
セールスグループにて、クラウドログを使い始めた経緯を教えてください。
A:私が営業事務を立ち上げるとなったときに、営業の仕事をどれから巻き取るか、優先度をつけたいという話になりました。営業メンバーにヒアリングすると、主観的な意見はたくさん出てくるのですが、それって本当にそれだけ時間がかかっているんだっけ?と、ふと疑問が挙がりまして。主観でなくデータで事実を確認したいな、というタイミングで、はじめは営業メンバー8名への導入を進めました。
たとえば、商談はもちろん商談準備、フォロー対応なんかは営業が自分でやった方が絶対いいですよね。そうじゃなくて、営業がやらなくていい・誰でも対応できる業務の工数データを、細かい粒度で取っていました。
その結果、工数データは優先度づけの判断に役立ちましたか?
A:はい。本当に時間がかかっているなとか、これは意外とそうでもないなとかが見えてきました。メンバーの主観通りのところもあれば、そうでないところもあったので、工数をもとに検討してよかったと思います。当初の目的だった、必要な月次の工数も見えてきたので、営業事務のチームも無事に立ち上げることができました。
また工数がわかっていたので、必要なアサイン人数もスムーズに決まりましたし、何より引継ぎ時に、その業務の所要時間が明確になっているのも嬉しいポイントでした。
メンバーへの定着はどう進めましたか?
A:正直に申し上げると、最初はなかなか入力が定着せず、定期的な声がけは行っていましたね。
少し経つと要領を得て、先にカレンダーに入れておく人もいれば、自分でルーティン化して入れるタイミングを固定する人もいたりと、少しずつ馴染んでいきました。その経験を活かして、他チームに展開していったときには、チームに1人クラウドログ担当を設けたことで、スムーズに定着が進みました。
メンバーへの定着はお気に入りの機能や、改善してほしい機能があれば教えてください。
B:最近はストップウォッチ機能をよく使っています。入力が楽になるのはもちろんなのですが、業務が終わって止めたときに「こんなに時間かけてしまった…」みたいにすぐ気付けるのもいいなって思っています。
C:改善してほしいところは…そうですね、しいて言うなら用語や設定がもう少しわかりやすくなるといいなと思います。マスタの種類がたくさんあったり、紐付ける場所が複数あったりと、迷うことがたまにあります。手探りでいろいろ触ってみて、正解がわかったら、自社で作っているクラウドログのマニュアルに記載しています。この手間が減ると嬉しいですね。
忙しい現場と、それを知らない上層部。折衷案の意思決定に工数データを活用
営業チームで、他に工数データを使った事例はありましたか?
A:既存営業のチームの話で、1人あたりの顧客数がすごく多かった時期があったんですね。上層部としてはクライアントとの接触を増やしてほしいけど、現場は忙しすぎて増やせない…といった意見のずれが起きたことがありました。
営業としては業務委託を入れたいという話になったのですが、そのためには理由を説明したうえで、予算を取らないといけないじゃないですか。そんなときに、クラウドログの工数データを使いました。「接触できていない時間がどれだけあって、この業務を渡すことで接触時間がこれだけ増やせる」という説得材料がすでに蓄積していて、とても良かったですね。意思決定において役に立つデータをすぐに提出できたんです。
その結果、上層部も納得させたうえで無事に業務委託を採用でき、最終的には目的としていた営業メンバーの接触時間自体も増やすことができました。
C:このとき採用したアシスタントさんは、今では本当に、いないと業務が回らないんじゃないかと思うほどありがたい存在です。営業メンバーだけでなく、私が所属しているサポートグループなど周辺領域のメンバーも、円滑に業務を回すことができて非常に助かっています。
兼任が多いメンバーの業務管理に、工数管理を導入
マーケティンググループにて、工数管理を始める前の課題を教えてください。
B:私は採用とマーケを兼任しているのですが、過去には一時期4つくらいの兼任をしていた時期がありました。そのとき「どの業務にどれくらいかかっているの?」って上司から聞かれることがありましたが、そのときは工数管理をしていなかったので、答えることができず…。
C:兼任あるあるですよね。私も上司に聞かれたことがあります。サイクルが決まってくると、「だいたいこれ何分かかるな」という感覚がつかめるので、その目安でカレンダーに入れるんですけど、兼任がどんどん増えていくと、もう頭が回らなくなってしまって。何に何分使っているかを認識して業務を行うのは難しくなっていきました。
自身の業務管理をするために、行っていたことはありますか。
B:聞かれたときに答えられるよう、導入前はカレンダーに予定を入れつつ、スプレッドシートで管理をしていました。ただカレンダーとリンクしているわけでもないので、それぞれに入力する手間がかかっていましたね。しかも私が独自に工数を管理していただけなので、あくまで「自分のため」という感じでした。
突然下りてきた追加業務…直近の工数を根拠に、業務調整を打診
マーケティンググループでは、工数データをどのように役立てたのでしょうか。
B:以前、それこそ4つの業務を兼任していたときに、突然「採用強化するから1日50件スカウトを打ってください」という話が下りてきたことがあって。でも私としてはどうやってもそんな工数は取れないから、なんとか調整してほしかったんです。
そこで、自分の直近の工数をグラフにして出し、「他の業務がいっぱいで追加の業務が回せないので、調整してもらえませんか」と伝えたんです。結果、マネージャーを説得でき、業務調整をしてもらえたので本当にありがたかったです。
工数はずっと蓄積しているので、たとえば「採用強化をお願いしたけど、実際に工数はどれくらい増えているのか?」と聞かれたときにもすぐにデータで出すことができるんですよね。自分が使った時間をすぐに振り返れるし、上司にも可視化したものを見せられるので助かっています。
「忙しい」理由を自分で管理。メンバーの業務意識を変えて、業務削減の交渉も可能に
同じように業務負荷の高い方々に対して、どのような言葉をかけますか。
B:他の企業でもこんなふうに突然業務が下りてきて、結果残業が増えてしまう、なんてケースもたくさんあると思うんですよね。私も、さすがに4つも兼務していると「何でも屋」感が出てきてしまって、ますます依頼が増えていった時期がありました。
そんなときに、一社員でも事実ベースで業務の交渉ができるって結構強いんじゃないかなと感じています。急な依頼が飛んできたときに、「今忙しいんで」って口で言うだけじゃなくて、すぐ自分の業務状況をデータ上で説明できるって、とても強力な材料なんじゃないでしょうか。
どのような企業様にクラウドログをおすすめしたいですか。
A:クラウドログだとバックオフィスやエンジニアの方の事例が多いようですが、私たちのように業種を問わずいろいろなグループで使うのも良いんじゃないかなと思っています。
B:あとは、私やCさんみたいに「兼任が多い」チームや部署は、クラウドログで工数管理を試してみたらいいのではないでしょうか。工数データを通じてメンバーや上司とのコミュニケーションが円滑になりますし、ぜひ自分の業務管理にも活用してほしいです。

事業内容:人材マッチングサービスの運営
社員数:380名