「一人ひとりが『will』の実現に向けて前向きに挑戦できる社会、挑戦することが周りの人々へと波及していく世界をつくっていきたい」という想いから、ベンチャーをメインターゲットとした成長支援サービスを提供している株式会社ウィルゲート。SEO対策を中心としたコンテンツマーケティング事業、効率的な営業活動を支援するセールステック事業、Web・IT領域に特化した完全成功報酬型のM&A事業を手掛けている同社では、日本における「働きがいのある認定企業」に11年連続で選出されており、メンバーの働き方の改善を続けてきました。
同社の主力事業であるコンテンツマーケティング事業部では、これまでスプレッドシートを活用した業務の可視化と効率化に取り組んできたものの、工数の入力側、集計側の双方に課題を感じていたそうです。その課題を解決するため、なぜクラウドログを選んだのか、チーム内へ浸透させるためにどのような工夫があったのか、そして得られた成果について、ご担当者様にお話を伺いました。
課題
- 工数管理の項目が多く、毎月の月初10〜15時間は集計作業に時間を費やしていた
- スプレッドシートの保守と現場サポートで、毎月5〜6時間はかかっていた
- 現場メンバーによる工数の入力が徹底されていなかった
決め手
- 過去の課題を解決できる機能が実装されていたこと
- Googleカレンダーとの連携で、入力業務の負担を抑えられる
- タイムシートの入力率を確認できるため、現場社員へのリマインドが簡単
効果
- 毎月の月初10〜15時間かかっていた集計作業が、1時間に短縮。毎月5〜6時間をかかっていたスプレッドシートの保守と現場サポートがほぼなくなった
- 資料作成にかかる時間が可視化され、不要な残業を削減できた
- ベテランと若手の作業時間から、案件の状況にあわせた最適なリソース配分ができるように
50名のメンバーの工数を、スプレッドシートで管理。集計側と入力側それぞれの課題とは
今回の導入事例で対象となる、貴社の事業内容をお聞かせください。
今村 俊介 様(以下、敬称略):弊社のコンテンツマーケティング事業部では主にマーケティングまで手が回せていない中小企業のお客様を対象に「よいサービスを手掛けているのに、そのサービスを世の中に届けられていない」という課題を解決するため、SEOを中心としたコンサルティングサービス、分析ツール、コンテンツ制作のサービスを提供しています。お客様の事業領域は、クリニックやECサービス、BtoBサービスなど非常に多種多様です。
最近では、リードナーチャリングやSNS運用といった支援にも幅を広げており、ウェブマーケティング全体を一気通貫で支援できることも特徴です。
コンサルティングサービスでは、これまでどのように工数管理をされていましたか。
増田 舞友子 様(以下、敬称略):コンサルティングサービスの生産性を高めていくことを目的に、数年ほど前から案件と工数をスプレッドシートで管理していました。
具体的には、各メンバーごとに工数入力シートが用意されており、1日ごとに業務内容や担当案件、業務の所要時間を記入していくという形式です。メンバーが記入した内容は、各所属長が確認し、必要に応じて工数の調整や、メンバーの割り振りに活用していました。
そして、それらを集計し、全体売上とそれに対する稼働、粗利益が計算され、BIツールで構築したダッシュボードでリアルタイムに確認できる環境でした。
ただ、試行錯誤で構築した工数管理だったため、特に予実はざっくりとしか把握できていませんでした。「資料作成なら何時間ぐらいが妥当だろう」のように感覚的な数値をまず設定し、実績に基づいて現場で調整するという状態が続いていたのです。
工数管理で抱えていた課題をお聞かせください。
増田:まず1つ目が、工数管理の項目が多く、集計と分析に手間がかかっていたことです。コンサルティングサービスに関わる人数分を集計せねばならず、メンバーが増えれば増えるほど時間がかかっていました。また、スプレッドシートも属人的な運用が続いていたため、もしシートの関数にエラーが出てしまった場合は、直接私が確認して修正することも。計算すると、毎月の月初10〜15時間は集計作業に、毎月5〜6時間はスプレッドシートの保守と現場サポートに費やしている計算でした。
また、現場のメンバーも入力が面倒と感じていたのか、工数の入力が徹底されていなかったことも課題です。もちろん、私や所属長からリマインドをしていましたが、入力のメリットまで十分に伝えられていなかったため、とりあえず入力しておくという状況が続いており、集計や分析の精度が上がらず、業務改善の意思決定に使えないデータになってしまうという、悪循環に陥っていました。
今村:事業部長クラスの役職者からも、作業工数の可視化が徹底されていないことに対しての指摘がありました。たとえ正しい売上データが得られていても、正しい工数データが得られていなければ、どれだけの利益があるのか、また利益を出すためにどう改善すればよいか判断できません。
コンサルティングサービスにおける生産性を高め、お客様に提供する価値を最大化していくことが重要であると考え、工数管理にツールを導入することを検討し始めました。
導入のポイントは、Googleカレンダーとの連携や入力率のチェック機能
ツールの比較検討では、どのように検索されましたか。
増田:ツールを検索する前にまず、他社ではどのように工数を入力、管理しているのだろうかを調べることにしました。インターネットで検索するなかで、外部サービスとの連携や、メンテナンス不要といった点から、やはりスプレッドシートで入力、管理するのではなく、専門のツールで管理すべきと判断しました。さまざまなサービスを比較する中で、クラウドログの資料を請求しました。
クラウドログの導入では、どのような要素を重視されていましたか。
増田:スプレッドシートによる工数管理で抱えていた課題は可視化できていたので、その課題を解決できる機能が実装されているかを重視しました。その中で最も求めていたのが、Googleカレンダーとの連携です。Googleの拡張機能を活用することで、工数実績の登録をGoogleカレンダー上から登録できるようになります。弊社のスケジュール調整にはGoogle カレンダーを使用しているのでスムーズに導入でき、入力業務の負担を最小限に抑えられると感じました。
私が処理していた集計作業を簡素化できることも高評価です。入力されたデータを集計し、レポートに出力するまでが自動化されているので、集計作業の手間と時間を削減できると考えました。
また、以前は所属長がメンバーがしっかり入力しているかを目視でチェックしていたのですが、クラウドログでは集計された「タイムシートの入力率」をすぐに確認できるため、入力を忘れている社員へのリマインドがしやすくなっています。
クラウドログ担当者からのご提案はいかがでしたか。
増田:導入前にサポートいただけたからこそ、導入に至ったとさえ感じています。分からないことを丁寧に、聞いたものに関してはすべてお答えいただきました。また、弊社の運用体制や状況に合わせたご提案をいただけたことで、導入後のイメージを想起させることができています。
ツールは導入したら終わりと思われがちですが、今回のような日々の工数管理では、ツールの導入よりも運用が大切だと思います。だからこそ、導入前から丁寧にサポートいただいたことで、弊社の課題解決に向けて、引き続きサポートいただけるだろうと安心することができました。
クラウドログを導入し、2ヶ月で社内に浸透。その工夫とは?
クラウドログの導入決定から、社内に浸透するまでの工夫をお聞かせください。
増田:クラウドログの導入から、メンバー入力を確認してデータを集計できるようになるまではおよそ2ヶ月でした。
最初の1ヶ月では、まずツールの操作感や実際のデータ集計までの流れを確認しています。その後、これまでスプレッドシートによって集計していた業務の流れをなるべく変えない方向で、細かな入力ルールを設定しました。同時に、過去のスプレッドシートから工数やマスタに関するデータを移行しました。
2ヶ月目は、社内周知の期間でした。簡単なマニュアルをつくり、社内向けに導入説明会を開催しました。今回クラウドログを活用することになったメンバー数はおよそ50名で、説明会には全員に参加してもらいました。そこではただ入力方法やルールを伝えるだけでなく、「そもそもなぜ工数を管理しなければならないのか」「工数を入力することで、経営にどのようなメリットがあるのか」を資料を使って伝えています。さらにその場でクラウドログにログインしてもらい、しっかり工数を入力できるか確認してもらいました。
もう1つ社内浸透における工夫として、メンバーへの説明会前に所属長へ丁寧にクラウドログを説明したことが挙げられます。これによって、現場で何か不明点や改善案が出た際、役職者が個別案件に対応することができ、現場に合わせた運用ができています。
特に活用している機能や設定をお聞かせください。
増田:細かくメンバーの権限を設定できることが高評価です。他社のツールでは、管理者と使用者くらいしか分かれていないことも珍しくないと思います。しかしクラウドログであれば、グループを作成したり、階層によって権限を変えたりと、柔軟な設定をすることが可能です。弊社の場合、同じメンバーでも複数部署を兼任しているケースや、業務委託の方がチームに参加している場合もあるので、細かく設定できるのは便利ですね。
また、部署履歴や個人のアクティビティログも活用しています。入退社や部署異動があった場合、専用のスプレッドシートに情報を取りまとめていました。しかしクラウドログ上で部署の状況をすぐに確認・変更できるため、わざわざスプレッドシートにまとめる必要がなくなりました。退職となった場合は、いったんアカウント閲覧権限を変更し、必要に応じて削除しています。
月初10〜15時間かかっていた集計作業が1時間に!社長からは「投資判断がしやすくなった」との声
クラウドログの導入によって、どのような成果が得られましたか。
増田:毎月の月初10〜15時間もかかっていた集計作業は、現在は月初1時間ほどに効率化されました。クラウドログからデータをcsvでエクスポートし、報告用に取りまとめるだけになったので、非常に助かっています。また、毎月5〜6時間を費やしていたスプレッドシートの保守と現場サポートもほぼなくなったことも、大きな成果です。
今村:各チームの所属長からは、メンバーへ工数の入力をリマインドする手間が大きく省けたとの声がありました。
スプレッドシートで管理していた頃は、いちいち各メンバーのシートをすべて開いて入力されているか確認していましたが、今では一覧で入力状況を確認できるようになっています。具体的には、1日の稼働時間に対して、入力された工数が届いているかをチェックしているそうです。
加えて、部門長のメンバーに対するモチベーション管理もやりやすくなっています。明らかに仕事量が増えていることがクラウドログで分かれば、一部のタスクを他のメンバーへ割り振ったり、必要なサポートをしたりといったフォローができます。
クラウドログの導入で、社内にどのような変化がありましたか。
今村:以前は工数と所要時間を感覚的に記入していたのですが、実際にクラウドログで可視化されてみると、稼働時間にかなりの乖離があることが分かりました。また、コンサルティング業務では、資料作成に対しての適正な時間を可視化することができました。これによって、過度な残業を防止することに繋がっています。
その他にも、同じ資料の作成でも、ベテランと若手で倍近く対応時間が違っていたことも判明しました。この結果を受けて、案件の状況にあわせて最適なリソース配分を意識するようになっています。
経営層からの評価はありましたか?
今村:クラウドログの導入は弊社代表も認識しており、「(クラウドログの導入による業務の可視化で)投資判断がしやすくなった」との声をもらっています。以前はどれだけの時間がかかっているか見えていなかったものの、投資に対する成果を時間単位で測定することができるようになりました。それによって、中期的な視点が必要になる教育面の投資ができるようになったと聞いています。
生産性改善で得られた余裕や時間を、お客様へ提供する価値向上や新規事業に投下したい
工数管理に悩みを抱える企業へ、クラウドログはどのような点がおすすめでしょうか。
今村:どのような工数管理ツールであっても、推進者が熱意を持って組織に浸透させていく必要があります。クラウドログはそうした熱意に応え、導入・運営のコスト投資に対して確実に回収できるツールだと感じています。弊社は単月で投資に対する成果をペイできたと思います。どのような企業も中長期的に大きなインパクトが得られるはずです。
今後の展望をお聞かせください。
今村:生産性を改善したことによって生まれた余裕や時間を、お客様へ提供する価値の向上や、新規事業の開発に費やしていきたいです。また、今回のクラウドログの導入で得られた工数管理のノウハウは、他の事業部やサービスにも展開していきたいですね。
株式会社ウィルゲート
2006年6月20日
事業内容:コンテンツマーケティング事業、セールステック事業、M&A事業
社員数:183名(従業員・フリーランス含む、2022年10月現在)
資本金:6,000万円
-オンライン編集チーム構築サービス「エディトル」
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